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第3回 お弁当の悩み、色いろ解決


ベントウボックス

※こちらの商品は取扱終了となっております。

結構毎日、お弁当を作っている。娘が保育園に入園した時にスタートし、小学校に通っていた6年間は給食だったから、延べ10年になる。これだけ長くお弁当を作っているとさぞかし手慣れた手つきでパパッとこなしているのだろうと思われるかもしれないが、実際は未だ毎日四苦八苦。いつまでたっても慣れない。でもできれば残さず全部食べて欲しいし、開けた時に美味しそうに見えるよう見た目も重要視したいし。
そしてそれが簡単に作れたらベストな訳で、そんなことを日々考え悩み続けて10年間、ずっと感じていることがある。それは… “容れ物って重要”。そう、美味しそうに見せるのも、パパッと手際よく作るのも、お弁当箱によるところが大きいということなのだ。

お弁当を美味しそうに見せるのには、彩りが大切だと思っている。三色食品群の赤・緑・黄色。この三色を取り入れることで、栄養バランスも良くなるし美味しそうにも見えるというわけ。

まず黄色。娘の場合、卵があればOK。大抵は卵焼き、たまに目玉焼きやスクランブルエッグなど。どうしても卵がない時は、サツマイモをイン。ご多聞に漏れず、サツマイモ大好き女子だ。
次は緑。これはレタス系の野菜で補う。レタスは仕切り代わりにもなるのでとても便利だ。その他にもブロッコリーやインゲン、アスパラ、オクラなど、緑の野菜はたくさんあるので嬉しい。
そして赤。赤色の野菜は…と考えた時、ここで大きな壁にぶつかった。以前にもこのコラムで書いたのだが、我が家の娘はトマトが大嫌いなのだ。赤色の野菜の代表格といえば、やはりトマト。なのに、娘のお弁当には入れらない。トマトが使えないとなるとどうするか。
大抵はニンジンやデザートのリンゴなどで補ってきた。でもそれも限界があって、リンゴは家に必ずある訳ではないしニンジンレシピもあまりバリエーションがない。。困った。本当に困った。苦肉の策でラディッシュを入れてみたが、それだけ残して帰ってきた。

そんな悩みと日々格闘していた私の元に、black+blumの『ベントウボックス』がやってきた。
black+blumはハイセンスで使い勝手の良い生活雑貨を提案する、ロンドンのブランド。この『ベントウボックス』も、お洒落でちょっと自慢したくなるデザインだ。

まず、容器が白なのがいい。白い器は料理が映える。彩り野菜は綺麗に見えるし、どうしても茶色くなりがちなおかずも、白い容器に盛り付けられているだけで美味しそうに見えたりする。底にいくにつれ少し斜めになっているデザインもお洒落で、まるでお皿に盛りつけているような感じ。但しこれはちょっと詰め辛いという、欠点要素でもあるのだが。

それから、蓋。美しい透明なアクリルの周囲に、綺麗なオレンジ色のシリコンが付いている。そう、このオレンジ色。赤色のものが足りない娘のお弁当に、華やかに彩りを添える役割を果たしてくれたのだ。まさかお弁当箱の蓋の色で、悩みが解決するなんて。ちょっと目から鱗だった。

『ベントウボックス』はデザインや色合いだけではなく、ユニークな機能も色々盛り込まれている。
まず便利なのが、蓋つきソース入れ。お弁当でソースやケチャップ、ドレッシングなどを持たせたい時はかなり悩むのだけれど、これに入れて内部に収まってしまうのはとても便利。蓋も閉まるので、逆さまにして振るなどしない限り中身は漏れない。果物など、他と混ざって欲しくない物を入れるのにもちょうど良い。 あと、フォークが蓋にセットできるのも○。 フォークの代わりに自前の箸を差すこともできる。まあ外に丸出しになってしまうところは外国製品らしいところで清潔を重んじる日本人としてはどうかな? という感じもするが、ワックスペーパーやアルミ箔などで包んでおけばそれほど問題はない。 過去、箸を入れ忘れたことが何度もある私としては、この機能はありがたい。それと蓋に丸い窪みがあり最初見た時はただのデザインなのかと思ったけれど、 実はここは醤油皿だった。メーカーのWebサイトを見ると英語で『寿司愛好家にGood』とあって握り寿司が入った写真が載っていた。まあ、お弁当に握り寿司持っていく日本人はあまりいないとは思うのだけれど、巻物には便利かな。

そしてこのシリーズには大きいサイズの『ランチボックス』もある。結構大きいのだが、『ベントウボックス』ではちょっと足りない男性などには良いかもしれない。 この『ランチボックス』の方には全体の1/2サイズの三角形のBoxが入っていて、これは単純だけど優れものだ。例えば温めたい物と冷たい物を一緒に入れたい時、このBoxだけ取り外して電子レンジにかけられる。 冬場など、温かいものが食べられるだけで嬉しいものね。 とまあ良いことづくしなのだが、やはり欠点もある。それは、ちょっと重いこと。が、逆を言えば相当しっかりしている。プラスチックのお弁当箱って使っているうちに歪んで蓋が閉まらなくなったり留め具が破損してしまったりする物が多いのだが、多分これは大丈夫。
留め具もカッチリしっかり閉まるので、ちょっと放り投げたくらいじゃ外れない(お弁当を放り投げる人もそう多くはないと思うけれど)。荷物が多い女子高校生にはちょっと重たいかな?と 心配したが、別段本人は気にしていないようで喜んで毎日持って行ってくれている。

ということで家族3人、久しぶりにお弁当を持って近所の公園へ行ってみた。高校生の娘としては両親と公園でお弁当なんて、ちょっと恥ずかしかったかもしれないけれど。でも、気持ちの良い5月の青空の下、少しだけのんびり。 忙しく慌ただしく過ぎていく毎日だけど、たまにはこんなアウトドアランチで気分転換も良いものですね。

>おわり

センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。