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第14回 長いも細かいもお任せの小物入れ


キャディー

※こちらの商品は取扱終了となっております。

特別収納フリークという訳ではないのだけれど、どうも収納グッズが増えてしまう。その多くは引き出しや棚の中を整理整頓するためのもので、プラケースやワイヤーラック、簡易棚に仕切り板、ボックスファイルやブックスタンド…。シンプルな箱や板状のものもあればアイデアグッズなどもあって、多種多様だ。これらのものたちを使って引出し内を細かく区切ったり、収納扉に取り付けて小物入れを作ったり、棚を増やしたり仕切ったり。とにかくごちゃごちゃ細々したものを仕分けして整理していくのが好きで、引出しや収納扉を開いた時に綺麗に使いやすく納まってくれていると、とても嬉しくなる。しかし、それが常に上手くいくとは限らない。量が増えて入りきらなくなったり形状的に上手く納まらないものが出てきて、そういう場合は必然的に机やテーブルの上に置きっぱなしになる。性格的に、ポンポン適当に放り込んでおくということができなくて、なので家中のいろんなところにいろいろなものが出しっぱなし。棚や引き出しを開けるとその中は綺麗に収まっているのに、部屋は散らかっている…という現象。なんとかしたいと常に思ってはいるのだが、なかなか片付かない。であれば、そのはみ出たものをいかに綺麗に置いておけるか、が鍵となってくる。


この円柱の名前はCADDY(キャディー)。ケーブル類やメディアカードなどを収納するために開発された小物入れだ。PC、スマホ、タブレット、これらは今や必需品。私の場合これにデジタルカメラが加わって、それらのケーブルやらSD カードやらバッテリーやらUSBメモリやらがあちらこちらに置いてある。特定の置き場があるようでない。しょっちゅう使うものなので手に届くところに欲しいのだが、物が細かくていろんな形状があるため、上手いことみんな一緒に収まってくれるところがないのだ。

このCADDY(キャディー)、一見シンプルなプラスチックのケースだが、よく見ると細かなラインの入った石のようなテクスチャー。ストーンパウダーを混ぜ込んだオリジナルの樹脂で作られているそうで工芸品のように美しく、触った時の感触もさらっと温かみがあり心地いい。蓋を開けると中は布張りになっている。収納物を極力いたわる心配り。そして内部 に可動式の仕切りが付いていて、中に入れる物のサイズによって、大きな1つの空間になったり細かく4つに分かれたりする。

開発された当初の目的はケーブル収納だけれど、この仕切りや布張りの優しさを眺めていると、他にもいろんな用途で使えるなと思う。
例えば、メガネや化粧品、アクセサリーなどの収納として。スエード調のファブリックが蓋の裏側まで貼られているので、デリケートな貴金属やガラスものなども優しく保護してくれる。お出かけ前の準備や帰宅時の一時置き場としても活用できそうだ。

玄関に置いても便利だと思う。鍵や小さな靴べらやペンなどを入れておくのにちょうどいい。何かとごちゃつくエントランス周りにはこのくらいシンプルデザインのものの方がスッキリする。
そして何より嬉しいのは、円筒の底面に小さな隠し収納が付いているのだ。パッと見ただけでは、こんなところに収納があるなんて、まずわからない。それならそこに、印鑑などを入れておいてはどうだろう。
他にもちょっとした大切なものをしまっておくのに、重宝しそうだ。

今回写真では3つの使用例をご紹介したけれど、工夫次第でいろいろ使えそうだ。よくあるペン立てなどは縦長のものは収納できるが、細かく小さなものはまた別の収納を用意しなければならない。でも、この底面の小物収納があるだけで、アイデアは広がっていく。
例えば上にはペンやハサミなどの文具を差し、下の小物入れに切手を収納する。また、メイキャップ用品入れとしてブラシなどの長ものを上に、下にはチップやシャープナー、メイク用のシザーなど小さなツールを入れても便利だろう。

このCADDY(キャディー)はNuAns(ニュアンス)というブランドの商品。NuAns(ニュアンス)は主にデジタルツールを日常で快適に使うための製品を発信している。便利で欠かせないデジタルツールだけれど実際、生活に溶け込みインテリアに馴染んでいるとは言い難いものが多い。そんな中で愛用品として傍に置いておきたいデザイン、心地よいインテリアやリラックスできる空間に馴染む佇まい、その人らしさが醸し出される雰囲気のあるもの、そういった製品を送り出すことを目的としているブランドだ。
なので今回ご紹介したような使い方は、本来の開発目的とは少し離れていってしまっているかもしれない。でも、製品とはそういうもの。実際それを手にした人がその人なりの発想とアイデアで、使いこなしてくれればそれで良いのだと思う。

シンプルで空間に馴染むアクセサリーケース。そんな感じでいろいろなものを収納して机やテーブルの上にいっぱい円筒形が並んでいたら、ちょっと可愛いかもしれないな。

>おわり

センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。