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第31回 グングン水を吸収する、スポンジワイプの実力


スポンジワイプ

実はスポンジワイプを使ったことが、今まで一度もなかった。もちろん製品は知っていた。雑貨店などでもよく見かけていたし絵柄が可愛いので興味はあったのだけれど、でも特に必要ないなと思っていた。スポンジワイプ自体がどういったことに使うものかをなんとなく勝手に想像し、大概キッチン用品売り場にあったのでキッチンクロスのようなものだと思っていた。でも別段これを使わなくても普通のキッチンクロスや雑巾で十分だと思っていた。なので今回スポンジワイプのコラムを書くことになって、最初はそんなに期待はしていなかったのだ。実際製品を使ってみるまでは。


スポンジワイプを初めて使って結構驚いたのは、その吸水力だった。手始めに濡れたキッチンのカウンターを拭いてみた。するとスッと水を吸水してくれる。お!と思い、今度はもう少し濡れの激しい場所で試してみると、結構ビショビショだったカウンターが、一気にきれいになった。
スポンジワイプの大前提として、まずこれは濡らして使うものだということ。乾いた状態はパリッと硬くて目的によっては使いづらい。でも、水に濡らすとすぐに柔らかくなる。しっとりふんわりしている感じが心地よくて、ちょっとクセになりそう。そしてその濡れた状態で、結構な吸水力を発揮するのだ。普通、濡れた布地は乾いたものよりかなり吸水性が落ちるイメージだったので、濡れているのにこんなに水気を吸うとはちょっとびっくりだった。もちろん乾いた状態で使ってもOKで、乾いている時の方が当然吸水力も高いのは言うまでもないことだけど。


新品のスポンジワイプの袋の中には使用説明書が入っている。そこに使い方の例が書いてあるので、いくつかご紹介します。
まず、台布巾として。食事の前後にテーブルを拭くのはもちろんだけれど前述の通り吸水性が優れているので、飲み物などをこぼしてしまった時に力を発揮してくれる。我が家は…特に私はとてもそそっかしくてしょっちゅうコップやらコーヒーカップやらをテーブルに倒すので、これは便利。サッと一拭きで濡れたスポンジワイプならコップ半分くらい、乾いているものならコップ1杯分くらいの水分を楽に吸い取ってくれる。次に水切りマット。基本的にスポンジワイプは濡れた状態で使用するものだが、水切りマットとして使うなら乾いたものの方が良さそうだ。個人的に濡れた状態でキッチンカウンターに広げて置いておくのは、衛生的ではない気がしてちょっと好まない。そしてスポンジワイプは一度洗うと結構歪む。新品の時のようにまっすぐ平らではなくなるので、重めの陶器や鍋などの下に敷くのは良いが、軽めのコップなどの水切りマットとしてはちょっと不向きな気がした。
それからカットしてコースターにしたりそのままでランチョンマットにしたり。これも新品の状態で使うのなら、という感じ。絵柄が可愛いのでランチョンとして使うのは楽しいのだけれど、やはり1度洗うと歪むのでちょっと使いづらい。新品の状態でランチョンマットとして使って、汚れて洗ったあとは台布巾にするという使い方がベストかもしれない。


私個人としてはこれからの季節悩まされる窓の結露に使いたいところ。実際に結露している窓を拭いてみると、小さなスポンジワイプ1枚で半間ほどのサイズの窓の結露を、全部拭き取ることができた。水分を吸収しビッショリになったスポンジワイプを手でギュッと絞ると、かなりの量の水が出てくる。タオルなどの布製品と違い軽い力でも相当しっかり絞れるので、力の弱い女性やお年寄りなどにはありがたいと思う。
そしてスポンジワイプの良いところは、ガンガン洗えるところ。洗濯機でも洗えるし、煮沸もOK。乾きも早いのでとにかく衛生的に使えるのが、とても嬉しい。


そんな感じでいろいろ使えるスポンジワイプだが驚いたことにこの製品、1949年にスウェーデンで発祥したのだという。約70年も前から北欧・ドイツでは定番のふきんとして使われていたのだそうだ。機能性が高くテクノロジカルな印象なので、そんなに古くからあるものだなんてちょっとびっくりだった。
スポンジワイプの原材料はセルロースとコットン。セルロースとは木の端材から採れる繊維素で、土に埋めると100%生分解する天然素材だ。環境への負荷も少なく様々な製品に活用できる素材として、近年注目を浴びているらしい。


センプレで扱っているE.OCTのスポンジワイプだが、毎年年末に干支のイラストが入ったものを販売する。来年2020年は子年。ということで五穀豊穣と繁栄を願って、麦を背負っているネズミくんがやってきた。可愛らしくすぐに使うのはもったいないので、フレームに入れて飾ってみる。お正月過ぎたら、台拭きとして活躍してもらおうかな。この干支シリーズ、袋に熨斗の絵が描いてあってそのままお年賀として使えて便利。こんなお年賀いただいたら年明けから嬉しい限り。新しい一年も良い年になりそう、なんて思ったりして。

ということで、今回スポンジワイプの実力をしっかり確認できた。使ってみないとわからないものだなあと、つくづく実感。何度も洗って繰り返し使えるしプライス的にもリーズナブルなので、みなさまもぜひスポンジワイプ試してみてください。

>おわり

ご紹介アイテム

□ スポンジワイプ

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センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。