日常へのアクセントとしての光 SEMPRE STAFF レビュー

光を求めるときというのはどういうときだろうか?そんなことをこのXtalを見ながら考えた。「充電式のLEDライト」と、言ってしまえばいくらでもあるような簡単なライトのように思えるが、見た目はちょうどロックグラスのようで持つとずしりと重い。光自体は柔らかいが、幾何学的なガラスの影が放射状に広がりあたりを照らす。明るさはちょうどロウソクくらいだろうか?これを使って何をしようかという明かりではないことは確かだ。
電気のなかった昔ならいざしらず、この光あふれる現代でこの弱々しい光を求めるということの意味はすぐには思いつかなかったが、日常のちょっとしたアクセントとしてこの明かりが部屋の中にあったら果たしてどんな感じだろうと、そんなちょっとした興味で家に置いてみた。

食卓のテーブルに置いてみるとちょっと意外なことに気づいた。このXtal自体の形がオブジェとしてしっかりとしているため、光っていれば回りが少々明るくてもちゃんと存在感がある。言い換えればそこまで部屋の明かりを落とさなくても別にかまわない。なるほど、だからこそのこのデザインとこの明るさなのかと思った。
食卓の中にあるXtalは柔らかくもしっかりとしたアクセントとなり、かつ暗くて料理の色がわかりづらいということもない。ちょうどグラスくらいのサイズなので食事の邪魔にもならずなかなかいい具合だ。料理とワインと、その隅に華やかな明かりがある。それだけでちょっとワンランク上のディナーになった気がする。

ある程度食べ終わったので今度は部屋の明かりを落としてみる。今までおとなしく脇役に徹していたXtalは、今度はみるみる主役となり周りを照らしはじめると、大した装飾のない部屋がちょっとしたバーのようの雰囲気になり、食後の心地よい満腹感を優しく包んでくれる。抜栓から時間が経って馴染んできたワインと柔らかな明かりがよく合い、ついいつもより飲みすぎてしまった。
キャンドルなどと違い後始末を考えなくてもいいし、熱くてやけどすることもない。充電式なので別にテーブルの上でなくても例えば本棚の空いたスペースなどにも置ける。日ごとに場所を変えてみて楽しんでみるのもいいと思う。きっと思わぬ発見があるに違いない。
こうしてみると、単純なようでいてなかなか奥が深いライトだ。