北欧の名作照明がコンパクトになった「PH5ミニ」
1958年にポール・ヘニングセンが開発したペンダント照明の名作「PH5」を、直径30cmにリサイズした「PH5ミニ」。A4用紙の長辺ほどの大きさで、多灯吊りやコンパクトな空間にも使いやすくなりました。
「光の制御、グレアフリー、影、光の色」。これらが照明に関するヘニングセンの生涯にわたる重要なテーマでした。彼の関心はランプ自体のデザインやフォルムをどう見せるかでなく、人や物、空間を光によってどのように照らすかにありました。彼のランプデザインの全ては、このテーマを実現しようとした結果だったのです。
特徴的な「3枚シェード」について
1920年代にデザインされた3枚シェードのPHランプは、美的にも技術的にも完成されたものでした。このランプの天才的発想の核心は、シェードの形状に巻き貝のカーブが持つ対数螺旋を取り入れたことにあります。これにより、光の反射と透過が精密に計算され、光源がシェードに斜めに当たることで光が「滑り」、効率よく下方に反射される仕組みが生まれました。光が必要な場所に無駄なく届けられるように設計されているのです。
光のバランスについても、独自の視点からデザインされています。ランプ内部および2枚のミニシェード、下面カバーを赤と青に塗装することで、白熱電球が発する黄や緑の光を抑え、夕暮れのような温かさと爽やかさを同時に感じさせる光を作り出しています。
このタイムレスなデザインと優れた光の質で、PH5はデンマーク国内で圧倒的な支持を集め、「国民的ランプ」と呼ばれるまでに広まりました。PHランプは、シンプルでありながら洗練されたデザインと、光を効率的にコントロールする技術的な革新によって、現在でも愛され続けています。
PH5とPH5ミニの違いについて
PH5とPH5ミニの主な違いは、サイズと使用シーンにあります。直径50cmのPH5は、大きなダイニングテーブルを照らすのに適したサイズです。一方、直径30cmのPH5ミニは、コンパクトなダイニングテーブルに1灯で使うのはもちろん、広いテーブルでも複数灯を吊るすことで、十分に明るさを確保できます。使用する空間や家具に合わせてお選びください。
豊富なカラーバリエーション
PH5はカラーバリエーションが豊富なところも魅力の一つです。カラーごとに分けてご紹介いたします。
▼クラシックホワイト
PH5の発売当初から現在まで、長く愛されているカラーがクラシックホワイトです。ポイントで使われている紫のおかげでシンプルな印象になりすぎず、お部屋の良いアクセントとなってくれます。
▼モダンホワイト
白とローズピンクの組み合わせがかわいらしいモダンホワイト。シェードを支えるブロンズのフレームが、かわいすぎる印象を抑え、上品で洗練された雰囲気を演出しています。
※写真は通常サイズのPH5です。
▼グラデーションシリーズ
パキッとしたカラーが目を惹く、色彩豊かなグラデーションシリーズ。2018年にPH5誕生60周年を記念して発表されました。トップシェードからボトムシェードにかけて色を淡くすることで、空間に取り入れやすい仕様になっています。
▼モノクロームシリーズ
トップ、ミドル、ボトムシェードの表面が同色、シェードの内部がホワイトで統一されているモノクロームシリーズ。他のカラーの中でも最もシンプルで、モダンな印象を与えてくれます。
▼メタルシリーズ
ミドルシェードに異素材を使用したメタルシリーズ。真鍮と銅の2種類で、表面はどちらも無塗装仕上げのため、使い続けることで徐々に経年変化していきます。
メッキなどでは味わえない、本物の魅力を堪能することができるカラーです。