シェーカーへの影響が反映された、ミニマルなチェア
1960年代にハンス・J・ウェグナーはカール・ハンセン&サンのために、13種類の異なるアイテムで構成される家具シリーズを手がけました。そのシリーズの初めとなったチェアが、1962年に作られた「CH36」とアーム付きの「CH37」です。
この家具シリーズにはウェグナーらしさ、シェーカースタイルからの影響、さらには北欧的な真のシンプルさが表現されています。
ウェグナーは少ないインスピレーション源を深めたデザイナーとも呼ばれており、このシェーカーシリーズでもリデザインを繰り返してきました。その歴史を辿ることで、彼のデザイン性を感じられると言っても過言ではありません。
※シェーカー家具とは、18世紀後半から19世紀にかけてアメリカで活動していたシェーカー教徒によって作られた家具のこと。規律と簡素を美徳とし、自給自足生活を送ってきたシェーカーの人々。その哲学に基づいて生み出された家具は、直線的な形状やシンプルなデザインが特徴的で、機能性、耐久性にも優れたものでした。
その洗練された美しさはデンマークデザインにも通ずるものがあり、ウェグナーを始め世界で活躍するプロダクトデザイナーにも大きな影響を与えました。凛とした暮らしの美学は、現代の生活や家具にも脈々と受け継がれているのです。
クラフトマンシップにより、使い心地も考慮されています
CH36とCH37は、シェーカーチェアからのインスピレーションを明確に示す、幾何学とも言える明快なラインで構成されたダイニングチェアです。テーパーをかけた脚などのディテールが、素朴で軽快な印象をチェア全体に与えています。
シェーカーへの影響に加えて、上下でカーブを微妙に変えることでサポート性を高めている背もたれ、ペーパーコードを施した座面など、ウェグナーらしい細やかな配慮や持ち味も見てとることができます。
造形的な強い個性がないからこそ、空間に自然と馴染むアイテムです。
CH36
無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインのCH36は、数あるCHシリーズの中でも最もシェーカースタイルを感じられるチェアです。
ウェグナーの名作・CH24と組み合わせれば、CH36が持っている静かな印象の中に動きが生まれ、エレガントな印象に。脚や貫の形などディテールにCH24と共通性を持ったデザインなので、揃えた時にも統一感があります。
リビングや寝室などで一脚オブジェのように置いておくだけでも、空間を美しく演出します。
CH37
船のオールのような、美しいアームが付いているCH37。ウェグナーらしい丸みのある優しいディテールです。アームの幅が広いので肘をかけた時にも安定感があり、また、肩が上がらない絶妙な高さと角度で設計されています。
本国であるデンマークも含め、高い人気を持つチェアの一つとなっています。
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CH36とCH37の与える印象
直線的で垂直水平のイメージが強調されているCH36。写真の配置では、リビングとダイニングを分けているような印象が感じられます。
アーム付きのCH37も、横から見ると直角な作りになっています。シンプルなデザインなので、アームが付いていても軽やかな印象です。
チェアクッションで、座り心地をより快適に
CH36用に開発された革張りのクッションです。長時間のデスクワークやリラックスタイムに、チェアクッションをプラスするだけで、座り心地をより快適にします。体圧を分散し、腰やお尻への負担を軽減してくれるので、快適さとサポート力を同時に実現します。
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