倉俣史朗の代表作のひとつ。20世紀のデザイン史で欠くことのできない椅子で、世界の主要な美術館の収蔵品になっています。素材は、建設現場などで用いられることの多いエキスパンド・メタル。それまで家具に使われることのなかった素材で、倉俣らしい「軽やかさ」や「儚さ」が表現されています。金属の先端と先端を溶接で繋いで、伝統的なアームチェアの形に仕上げるには職人の高い技術が必要。観賞用の作品ではなく、椅子として「座る」ことができるのも倉俣さんが意図したところです。2009年以来製造されていませんでしたが、ギャラリー田村ジョーの手で復刻。センプレはメーカーとしてこの椅子に関わっており、シリアルナンバーの入ったプレートが付与されています。【1986年デザイン】