グルチッチによる滑らかなフォルムと機能を備えた木製の回転式チェア

コンスタンチン グルチッチとアルテックが初めてコラボレーションを果たした製品「ライバルチェア」。
ライバルチェアは、家族とにぎやかに食卓を囲む時、一人でパソコンに向かう時、夜更けに親しい友人と静かにグラスを傾ける時など、生活のあらゆるシーンで使うことができます。同時に、オフィスや公共施設、レストラン、カフェなどの空間に、1脚で使用する場合からその空
間全てをライバルチェアで揃える場合まで、どんな場面にも違和感なく馴染むタスクチェアでもあります。つまり、ライバルチェアは、現代社会において、仕事と生活そして公的空間とプライベート空間の垣根を取り払うことに挑んだ意欲作といえるでしょう。
グルチッチはアルテックの伝統を受け継ぎながらも、木製の椅子の更なる可能性を追求しました。脚には無垢のバーチ材を削り出すことによって、あたかもプラスチックのような滑らかなフォルムを実現しました。バックレストとアームレストには、板の木目を同一方向に重ね合わせ成形する「ラメラ曲げ木」というアルヴァ アアルトの製品に見られる伝統的な技術が使われています。このように、椅子を構成するそれぞれの要素にはアルテックの哲学と技術が息づいています。
アルテックのコレクションの中では珍しい回転式チェアであるライバルチェアには、素材とテクノロジーに対して挑戦し続けるグルチッチならではの魅力が詰まっています。グルチッチは、回転機能を前面に押しだすのではなく、ライバルチェアの座面下にポリプロピレン製のボウルをデザインし、その中にアルミニウム製の回転機能を隠してしまいました。従来のオフィスチェアとはー線を画すそのデザインは、ダイニングチェアとしてもタスクチェアとしても使用でき、オフィスの机にも、家庭の食卓にも、レストランのコーディネイトにもすんなりと溶け込む革新的なものです。ライバルチェアからは、歴史や伝統を尊重しながらも、「人が使う」ことを大切に考えているグルチッチの信念が感じられます。ライバルチェアはアルテックとアルヴァ アアルトの歴史と伝統に強く根差したものですが、ライバルという名前は競争という意味ではなく、アルテックを象徴する数々の名作家具といずれ肩を並べる椅子になる、というグルチッチの自信を表しています。