ペーパーコード職人が創り出す耐久性
CH25は、ウェグナーがカール・ハンセン&サンのためにデザインした最初のコレクションのひとつとして1950年に発表されました。当時トレンドだった「座面の低いイージーチェア」に応えながらも、ウェグナー独自の造形美とクラフトマンシップが融合した一脚です。
ディテール
最大の特徴は、座と背の両面に施されたペーパーコード。天然素材でありながら強靭で、見た目にも美しい仕上がりを実現します。使用されるコードは一脚あたり約400mにもおよび、熟練職人が8〜10時間をかけて手作業で編み上げます。その張りは力強く、使い込むほどに身体になじんでいく耐久性と快適性を兼ね備えています。
また、幅広で長めのアームはデザイン上のアクセントであると同時に、立ち上がりやすさを考慮した実用的な工夫。特に年配の方にも安心してお使いいただける仕様です。
フレームはシンプルでありながら細部に工夫が凝らされています。後ろ脚から座面へと伸びるラインは、水面から生き物が飛び出す瞬間を思わせるような流麗な曲線で、ウェグナーが好んで用いた造形的特徴のひとつ。さらに、大胆に角度をつけた後ろ脚と、宙に浮くように見える前脚のデザインは、軽快でありながら安定感を与えています。
この深い傾斜により包み込むようなゆったりとした座り心地が特徴で、デンマークでも「憧れの椅子」と称されるほど、時代を超えて愛されるラウンジチェアです。
The First Masterpieces
1949年、カール・ハンセン&サンは、クラフトマンシップを大切にしながらも機械加工を大胆に取り入れることで、質を落とさず市民のための家具を作ろうとしていました。その頃、経済的にはまだ成功していなかった新進気鋭のデザイナー若きデザイナー、ハンス・J・ウェグナーと出会い、わずか3週間で5つの椅子をデザインしました。
この5つが「CH22」、「CH23」、「CH24」、「CH25」、「CH26」。カール・ハンセン&サンにとって最も重要なマスターピースです。
CH24とCH25は発売以来一度も途切れることなく生産され、さらに2016~2017年に他の3つも復刻されたことで、再び5つすべてが現行品として揃いました。これらの椅子は、カール・ハンセン&サンを知るうえで欠かせない存在であり、ウェグナーのデザイン哲学を体現するものです。
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