すべてが天然木無垢材の、マッシュルームスツール
新潟県燕・三条地区の地場産業である洋食器メーカーとして創業した吉田金属工業株式会社。1960年に発表された文明銀丁シリーズは、鋼が主流であった和包丁の世界にステンレス化の動きをもたらしました。ステンレス加工の技術を存分に活かし、鋼に勝るとも劣らぬ切れ味を保ちながらも、錆びにくく手入れがしやすい製品を実現させました。さらに、テーブルナイフ製造のノウハウを包丁に応用させるという発想から、「GLOBAL」が誕生。刃先から柄までを一体にするというかつてないコンセプトは、世界に衝撃を与えました。 イタリアのデザイン、ドイツの堅牢、日本の精密、この3要素を併せ持つ製品、それが「GLOBAL」の発想でした。3要素はあくまでもそれぞれのトップレベルで融合しなくてはならないという命題のもと、1978年にデザインと技術の2つの分野で開発が始まりました。
日本の新潟、燕 発のステンレス一体の包丁
創業以来、洋食器製造を通じて数々のノウハウとアイデアを培ってきましたが、その中でも素材美(個々の素材が潜在的に合わせ持つ色彩美や造形美)を活かすことこそデザインの極致という結論に至り、異素材を介在させない、“刀から柄までオールステンレス一体構造の包丁” というコンセプトが完成しました。
工業デザイナー・山田耕民氏にこのコンセプトによる包丁デザインを依頼し、「GLOBAL」は誕生しました。
吉田金属工業株式会社が世界に先駆けて刀身から柄まで全てステンレス製の一体構造包丁「GLOBAL」を製造・発売したのが1983年。以来、この包丁のアイディアと切れ味は世界各国で大きな注目を集め、世界のユーザーから高い評価を得るとともに、世界の包丁メーカー・業界に “オールステンレス一体構造包丁” という新しい規格の革命を起こしました。
心地よい切れ味とスタイリッシュなデザイン
熟練の職人がひとつひとつ研磨をし、仕上げていきます。このクラフトマンシップがGLOBALの心地よい切れ味とスタイリッシュなデザインの源です。
刃付け (ナイフの断面)
「GLOBAL」の断面を見ると刃先がハマグリ型をしています。 一般的な包丁のように峰から刃先に向かって直線的に鋭くなるのではなく、緩やかなカーブを描くようにつくられています。これにより、切れ味は鋭く、切った物の刃離れがよくなります。より鋭い切れ味を、より使いやすい製品を追求し試行錯誤を繰り返した結果、この形状が採用されました。
「GLOBAL」を特徴づけるデザインのドットパターン
厚さと丸みを与えたハンドルにこのドットパターンを施すことで、オールステンレスで懸念される「冷たい」「シャープすぎる」という印象をやわらげ、なおかつ「握ってみたい」と思わせる形状を生み出しました。そして現在、このドットパターンは吉田金属工業株式会社の商標として多くの国で登録されています。また、オールステンレスならではの洗いやすさでいつも清潔&快適。柄の付け根が腐って刃先が抜け落ちる等の心配は無用です。