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ALONGU 明論具 / アロング
デザイナーが考える生産ロスのない環境と日本食のための器。 食の多様性を受け止める、表情豊かな器。
デザイナーは国内外のブランドと幅広い分野で協働する倉本 仁。アートディレクションを担うのは、グラフィックデザイナー真崎嶺。
ニューヨークで育ち、2017年から東京で活動する日系アメリカ人の真崎氏の視点を通し、『ALONGU 明論具』の世界観は国籍をまたぎボーダーレスに表現されています。さまざまな国籍性や地域性が混在する和食の現在地を楽しみ、未来の和食を兆す器の姿を模索し、ブランド名は『ALONGU 明論具』と名をつけました。
自然のもたらす釉薬の濃淡などによって一点一点表情が異なることが大きな魅力であると同時に、いわゆる「B品」とされてきた在庫を生み出さないブランドです。
全てが均一に仕上がるイメージを持たれやすい磁器製品ですが、実は自然の陶石を原料とし、季節や気候の影響で窯の環境が変化することや、職人の手作業など様々な人の手が関わり生産されており、これまで検品の基準とされてきた「鉄粉」や「釉薬のむら」なども、実はごく自然に発生するものなのです。
『ALONGU 明論具』では、その素材が持つ魅力と自然が作り出すありのままの表情を活かすために、磁器には結晶などの反応が起こり表情の豊かな釉薬を採用し、また木製品も素地の風合いが感じられる半透明の「コゲチャの塗装を施しました。小さな点やむらが不良品とされてきたこれまでの当たり前を、これからは一点一点それぞれが持つ魅力として捉える新たな感覚へ、生産者、購入者と共に築きたいと考えています。