【第一弾】ラファブライト インタビュー
2025年6月末、東京日仏学院にて開催された「フランス アール・ド・ヴィーヴル展」に合わせて、LAFABLIGHTのCEO ロラン氏とPR・マーケティング担当のヴェロニク氏が来日。
LAFABLIGHTの美意識とこだわりを、より多くのお客様にお伝えしたいという想いから、センプレ店舗にもお越しいただき、ホームステッド入江氏のご協力(翻訳)のもと、特別インタビューが実現しました。センプレスタッフからの質問にお答えいただく形で、その魅力に迫ります。
記事は2週にわたってお届けいたします。まずは第一弾からお楽しみください!
LAFABLIGHTについて
工芸のぬくもりと現代的なデザインが融合した、新しいフランス発のブランド。
2021年にフランス・シャルトルで誕生しました。ディレクターのロラン・ルソーと、ヴィンテージに造詣の深いシリル・マイエが手がけるこのブランドは、素材選びから製造まで「メイド・イン・フランス」にこだわっています。
使用される木材は、パリから西に約200kmの森で採れたナラ、ポプラ、ブナなど。組み立てや糸の編み上げは、国内の家具工房で職人が一つひとつ丁寧に仕上げています。
シェードは5つの基本形からなり、糸の配列を変えることで全60通りのパターンを展開。繊細な手仕事から生まれる、美しくリズミカルな照明です。
日本では2021年からホームステッド入江氏がロランさんと直接連絡を取り、取り扱いが始まりました。センプレでは2022年から導入を開始しています。
「LAFABLIGHT」の名前の秘密
Q:ブランド名「LAFABLIGHT」に込めた意味や背景について教えてください。
ヴェロニク:「LAFABLIGHT」という名前は、フランス語のLa Fabrique de la lumière(ラ・ファブリック・ドゥ・ラ・リュミエール)に由来しています。La Fabriqueは「工場」や「製作所」、de la lumièreは「光の」という意味です。
つまり「光の工房」「光をつくる場所」といった意味合いになります。フランス語と英語が半分ずつミックスされた形になっていて、シンプルで、世界中の人に親しみやすく、理解してもらえるように考えられたものです。
私たちが「LAFABLIGHT」という名前を選んだのは、デザインから製造まで、すべての工程に私たち自身が関わっているからです。クラフトマンシップへのこだわりと、「光の工房」としてすべてを丁寧に作り上げていく姿勢を表しています。
私たちはすべての工程を自社で一貫して行っています。デザインのためのラボを持ち、製作のための工房も備えており、そこでは5人の職人たちが編み込み作業を行っています。
創業者のお二人について
Q:お二人が初めて出会ったときのことを教えていただけますか?また、どのようにして「⼀緒にものづくりをしよう」という話になったのでしょうか。
ヴェロニク:二人はシャルトルで生まれ、40年以上前からの付き合いのある幼馴染です。家族ぐるみで知り合いました。大人になり、シリルはパリでフランスの⼤⼿ブランドのデザイナー兼グラフィックアーティストとして働き、ロランはテキスタイルデザインスタジオを設⽴していました。
コロナ禍がきっかけで、将来について考えるために頻繁に会うようになり、その中で「何か照明に関することをやろう」というアイデアが生まれ、プロジェクトが始まりました。
シリルは、ヴィンテージ照明のコレクターでもあり、たくさんの照明を収集しています。私たちはそうしたアンティーク照明に見られるデザインや、一般的な照明文化からインスピレーションを受けています。
そして、いつか自分たちのコレクションや照明のレーベルをデザインすることは、彼らにとって夢でもありました。こうした議論を重ねた結果、彼らは「LAFABLIGHT」を立ち上げることを決めました。
その間、初めてのつながりを築くための開発やイノベーションに、9か月もの時間を費やしました。

左からロランさん、ヴェロニクさん、ホームステッド入江さん。
入江:もともとこのブレイディングの照明には名前がなく、ラファブライトという名前自体が初めてこの形の照明につけられたものです。デザイナーもいないアノニマスな照明で、ルーツは50~60年台のスカンジナビアから来たものです。
当時はカラフルでウール素材が使われていましたが、フランスに来た時には形が変わり、綿で作られていました。それからシリルとロランがフランスのクラシック要素をもとにラファブライトのために木と綿を選びました。
Q:ブランドを⽴ち上げるにあたって、それぞれの役割はどのように分担されていますか。
ロラン:シリルはデザイン、制作で、私は経営や会社全体の業務を行っています。
デザインと素材
Q:ロープと薄板という異素材の組み合わせを使おうと決めたきっかけや理由は何だったのでしょうか。
ロラン:デザイナーのシリルがフリーマーケットで出会った、50〜60年代のスカンジナビアのヴィンテージ照明からインスピレーションを得ています。特にその技術や、未完成のような独特の雰囲気にも強く惹かれました。
Q:ヴィンテージのランプシェードからインスピレーションを得たとのことですが、その魅⼒や現代のデザインにどう活かしたいと思っていたのか、詳しく聞かせてください。
ヴェロニク:ヴィンテージのものをより現代的に、モデル数も増やしながら、自然素材の魅力だけを活かして表現したいと考えました。
たとえば、コットンの持つ自然な白さや、木材の素材感。素材の質感や風合いを大切にし、高品質な素材を厳選して使い、「手のぬくもり」が感じられる仕上がりを追求しています。
また、照明のために「軽量な素材」を探し出すことにも取り組んでいます。
入江:ヴィンテージランプの作り方そのものに、デザイナーのシリルが共鳴しました。なぜかというと、日本だと「提灯」に代表されるように光を囲う文化は世界中にありますが、その中でもブレイディングで光を囲うというヴィンテージの照明を見つけたときに、自分からすごくパッションが出てくるのを感じたそうです。
それをモダナイズする時に、フランスで作るならどうしたらよいかというのを幼馴染のロランに相談しました。ヴィンテージからパッションを受け作られたというパーソナルな動機から始まり、コロナ禍の時に試作までに9か月かけて制作。2021年にメゾン・エ・オブジェで初めて発表しました。
よりベストな素材を探し、何にするべきかとかといったプロセスそのものが、二人にとってとても大切なことでした。
メゾン・エ・オブジェについて
- メゾン・エ・オブジェは、フランス・パリで年に2回開催される、世界最高峰のインテリアとデザインのトレードショーです。インテリア業界だけでなく、ファッション業界も注目するイベントで、世界中からクリエイターやバイヤー、エディターといった業界関係者が集まります。
Q:テーブルランプはON/OFF機能で点灯・消灯しますが、あえて調光式のものではないのはヴィンテージのからのインスピレーションですか。

テーブルランプ ECHINO / ALCERIA

新作のデスクランプ JEEMI
ロラン:最初のアイデアの時点で自然とON/OFFシステムを採用していました。それは習慣でもあり、ヴィンテージではよくあるスタイルだからです。
しかし時に、お客様から調光機能を求められることがあります。その場合は、電球を交換して調光可能なものを入れることができるので、とても簡単ですし良い方法だと思っています。
入江:海外の壁付け照明の場合、もともと調光のダイヤルがついてるものが多いので、照明そのものに調光機能をつけることは必要なかったという意図もあります。
Q:製作過程における⼯夫や難しさ、試⾏錯誤したポイントなど、製品化されるまでの期間を教えてください。
ヴェロニク:9か月間にわたる開発と革新の期間を経て、製品化には1年、そして私たちはさらに1年かけてコレクションを構築し、ついにそのコレクションを発表することになりました。
これは1本の糸で編みこまれており、糸を編む際のテンション(張力)がかかっても、常にまっすぐな状態を保てるように、軽量な木材を選ばなければなりませんでした。最初の課題は木材を見つけることでした。さまざまな種類の木を使って多くの試作品を作り、それぞれの重さが何キロかも確認する必要がありました。その過程で、形やスタイルにもいくつかの変化が生まれました。
入江:まず最初に難しいところは、一本の糸でできていること。ボンドなど接着するようなものを全く使用しておらず、ただ木をはめて糸を張っているだけなんです。糸をテンションで引っ張って木枠の形を安定させるというのがすごく大変なこと。その糸を張るということに耐える木材を探していました。重すぎても軽すぎてもダメ曲がってもダメ、そういった試行錯誤、全体的なバランスを決めるまでが難しかったそうです。
Q:一番最初に作った形はどれですか。
ロラン:ARIOCA KALYPSOです。試作もこれがまさに一番最初のものです。
【スタッフメモ】
写真左の照明がARIOCA KALYPSO。ARIOCAはシェードの形名、KALYPSOは編み方の名称で、上下をひねりながら交差させるのが特徴です。
中央・右のETIOLA、ECHINOはQADROという編み方で、平紐をひねらずに編むことで、重なり部分に菱形の模様が現れます。
シェードの形や編み方にはさまざまなバリエーションがあり、組み合わせを変えることで生まれる多彩な表情も大きな魅力です。
表現と空間
Q:LAFABLIGHTの照明が持つ抜け感や⽴体感は、空間の中でどのような役割を果たすと考えていますか?
ヴェロニク:センプレのお店のようなコンクリートの壁の前に設置することで、木材とのコントラストを生み出すことができると思います。そのコントラストによって、素材の新しい見え方や再解釈が可能になります。そして光が飛び、壁に透過していく様もまた綺麗です。このようなカッティングの照明は、壁に雰囲気を生み出すことができます。ライトを消してもきれいで、オブジェとしてもブレイディングが美しく見えるので、相反するもので作る空間がすごく合うのではないかと思います。
もちろん、素材がナチュラルで温かみを感じるので、ナチュラルな空間にも合うだろうと思います。

センプレのコンクリートともマッチしていました。

フロアランプ ETIOLA。壁にブレイディングの光が透過してムードな空間に。
Q:ご⾃⾝でデザインした照明を、どのような空間に置きたい・提案したいと考えていますか?(住宅/店舗/ギャラリー)など
ロラン:LAFABLIGHTは特にプライベートな空間によく合います。でも面白いことに、最初のクライアントは美容室でした。日本でも美容室が最初のクライアントでした。
ヴェロニク:面白いアイデアなのですが、ARIOCA KALYPSOは、同じ編み模様でも違う編み模様でも、いくつかを一列に吊るすことができます。バーの上に設置するのにぴったりで、レストランや個人住宅など、さまざまな空間にマッチします。このように並べて使うと、とても美しく見えるんです。パリでは寿司バーでもこのようなディスプレイがされています。
私たちの照明器具は、⾃宅/オフィス/店舗/ホテル/レストランなど、あらゆる空間にエレガントに溶け込みます。このモジュール性こそが、コレクションを構成する上で私たちの原動⼒となっています。建築家は、あらゆる組み合わせを⾃由に試すことを好むのです。
入江:不思議だったのは、ホームステッドのお客様はアパレル関係や美容室が多く、特に美容室のお客様は照明探している方が多いようです。美容室のようなパーソナルな空間には、派手で主張しすぎる照明も違うし、かといって主張が全くないのも違うので、LAFABLIGHTはちょうどいい存在のようですね。
Q:おすすめの電球色を教えてください。
ヴェロニク:やはり温かい色ものです。ホワイトの感じが強いのは違うかなと思います。
入江:フランスで使っているのは2700K、8Wのものなので結構暗めですね。日本仕様だと40Wまで大丈夫です。
Q:では今展示の40Wのものはちょっと明るいと感じますか。
ロラン:そうですね。もう少し暗くてもいいと思います。
入江:本国ではもう少し暗いのと、電球の頭のほうにレフ板がついている電球を使っていました。どうしてか尋ねたら、フランスでは下方よりも天井に向けて光を当てて反射させて空間を作ることが多いからだそうです。
もちろんデスクなどであれば、下方にも光がいく通常の電球がいいとは思うので、使う場所に応じて変えていただいて大丈夫です。おすすめはレフ板付きのものですが、特別なこだわりというわけではないのでお好みで使っていただくといいと思います。
LAFABLIGHT / ラファブライトについて
フランス中心部の街、シャルトルに拠点を構えるロラン・ルソーとシリル・マイエが手掛ける2021年に誕生したブランド。メイド・イン・フランスにこだわり、素材はパリから西に200キロほど離れた森に生息するナラ、ポプラ、ブナなどの木々から製材。組み立てや糸の編み上げに関しては、フランス国内の家具工房が一つ一つ手作業で丁寧に仕上げています。
LAFABLIGHT POP UP
LAFABLIGHT MOMENTS – 光と紡ぐ、特別なひととき –
2025年9月18日(木)~10月7日(火)の期間中、センプレ店頭にてLAFABLIGHTのPOP UPイベントを開催いたします!