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光の彫刻 AKARI

 

石よりも軽やかな光の彫刻「AKARI」。天井から、床から、軽やかに穏やかに空間に浮遊する不思議な灯り。「AKARI」は柔らかく拡散された光を作り出す手漉きの和紙と、細くしなやかな竹ひごを不規則に張りめぐらして、和紙の縮みやしわを魅せ、彫刻のように陰影を作り出しています。
さらに驚くべきことに「AKARI」のシェード部分は薄く平たい箱に収められているのです。平らな状態から引き伸ばして立体となって現れた時にはちょっと感動してしまうほどです。
1950年代から30年間にわたって日本の伝統工芸である岐阜の灯をこんなにもアーティスティックに仕上げ、無国籍に純粋に本質的な美を感じとらえたイサムノグチ。「AKARI」は暮らしの中の空間で共有できる、もっとも身近な芸術作品です。

AKARI"

イサムノグチ曰く「僕は自分の作品に「AKARI」という名をつけた、ちょうちんとは呼ばない。明かりと言う言葉は太陽の光や月の光を部屋に入れようという意味からこの言葉ができ、漢字の文字も日(太陽)と月とで出来ている。

今日あまりにも生活が近代化し機械化した現代人にとって、自然光に近い照明は憧れに近いものがあり、和紙を透かしてくる明かりには、ほどよく光を分散させ部屋全体に柔らかい光を流してくれる。「AKARI」は光そのものが彫刻であり、影のない彫刻をねらった作品である。

また、ガラスやプラスチックよりも紙と竹と木という、古来のものの方が、どんなに美しく、効果を発揮しているかを、いまさら言うまでもない。外国育ちの僕には特に行灯が畳の生活様式にあわせて、興味深く感じられる。」

彼の言葉に集約された「AKARI」へのこだわりが深く感じられます。