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Care & Maintenance -Artek製品を永くお使いいただくために-

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はじめに
アルテックの製品は、創業時より、年代によってさまざまな製造方法で生産されてきました。このガイドでは、現在アルテックが使用している材料や表面加工について記しています。過去に作られた製品も現代の製品と同じようにお手入れが可能ですが、一部の古い製品については、修理の専門家にご相談いただくか、弊社までご連絡ください。
アルテックの家具のほとんどは屋内での使用を想定して作られています。屋内での使用であっても、暖炉やストーブ等熱源の近くに置かないでください。また、湿度変化の大きい場所での使用にも注意が必要です。

木製家具について

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木は生きた素材
木材を用いて作られた家具はすべて一つ一つ個性があります。バーチ材の色や木目は、昆虫のかじった跡、使用する幹の位置、生育地や木材の乾燥方法等さまざまな要因によって個々の表情が生まれます。

アルテックの製品に使用する木材はできる限り均一な色の出方の木材を選んでいますが、持続可能な生産と材料の廃棄を最小限に抑えるためには、ある程度の個体差は避けることができません。アルテックは、それぞれの個体にあらわれる木目の違いはバーチの持つ最も美しい特徴のひとつだと考えています。長い時間をかけて育成された木材にはステイン仕上げ等の染色を施した場合の色の付き方にも違いがあります。

バーチやその他の木材は、大気中の湿度の変化により膨張、収縮する素材です。そのため製品の形状や寸法は多少変化することがあります。アルテックのすべての木製の製品は、可能な限り品質が一定に保てるよう、乾燥した場所で、湿度管理の下、製造されています。製造中の原材料の選択、処理、保管には最新の注意を払っていますが、工場から出荷された後、製品は湿度変化にさらされ続けます。

フィンランドでは、季節によって湿度が大きく変動することがありますが、屋内でも同様に湿度の変化は避けられず、湿度の変化を完全にコントロールすることは不可能です。それもまた木が生きた素材である証といえます。


ラッカー塗装とステイン仕上げ
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仕上げにラッカー塗装をすることによって、小さな傷はほとんど目立たなくなります。アルテックの家具は、耐久性を上げるため、表面にラッカー塗装が施されています。ステイン仕上げは、自然の木目をみせながら染色をする方法です。クリアラッカーや薄い色のラッカー塗装は、少しずつ経年変化し、味わいを増していきます。

日常のお手入れについて
定期的なお手入れとして、水で薄めた中性洗剤を使用し、固く絞った布で表面を拭いてください。水拭きの後、表面の水分を取り除くため空拭きをしますが、擦りすぎないように注意してください。家具の上に長時間電化製品を置いて使用する際には、ゴム製やフェルト製の敷物を使用してください。色のついたラッカー塗装の場合、クリアラッカーよりも傷が目立つ場合があります。

汚れの落とし方
水拭きをしてもきれいにならない場合は中性洗剤を使用してください。低濃度のアルコール洗浄剤を使用すると、水では落とせない汚れを取ることができます。しかし、これらの溶剤を使用することで製品にダメージが生じる場合もあるため、使用する前には必ず目立たないところでテストをしてください。汚れが落ちた後は、湿らせた布で表面を拭いて乾かします。金属やゴムによってできた黒い汚れは、消しゴムで取り除くことが可能です。

注意点
・強く擦ること。
・特定の箇所に強い摩擦をかけること(表面の塗装が不均一になる場合があります。)
・研磨すること。
・メラミンスポンジ等を含む研磨剤の使用。
・強アルカリ性や酸性の洗剤の使用。
・アセトンやシンナー等強力な溶剤の使用。
・はがしにくいワックスの使用。
・高温の物を載せること。
・大量の液体をこぼしたり、拭き取らずにそのまま放置すること。
・コーヒーや赤ワイン等、染みのできやすい液体をこぼすこと。
・デニム等、色が移りやすいファブリックの使用。
・薬用クリーム等の強力な薬剤を使用すること(引っかき傷のできてしまった箇所から、油分や汚れが木材に吸収される場合があります。)
・温度と湿度の極端な変化がある環境での使用。

ラミネートについて
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アルテックの家具にはハイプレッシャーラミネート(HPL)を使用しています。このラミネート素材は、紙と熱硬化性樹脂に高温高圧縮をかけて製造されています。中でも、ホワイトラミネートは、アルヴァ・アアルトが当時使用していたものに基づき、通常よりも厚さがあり、より白さを追求して作られたラミネート素材です。ラミネートは、耐摩耗性と耐久性のあるお手入れのしやすい素材です。

日常のお手入れについて
毎日のお手入れとして、湿らせた柔らかい布で表面を拭いてください。ラミネートの表面は研磨剤を含まない中性洗剤を使用してください。 水拭きの後、表面の水分を取り除くため空拭きをしてください。特にラミネートと木の継ぎ目は必ず乾かしてください。ラミネートの上で素焼きの陶器を使用すると、ラミネートが摩耗しざらつきが発生する場合があるため、取り扱いには注意してください。窓掃除用の洗剤は、輪染みの予防・除去としてお使いいただけます。ラミネートの変色につながるため、電化製品向けに作られた酸性洗剤は使用しないでください。もしも表面に付着した場合はすぐに拭き取ってください。

汚れの落とし方
水拭きをしてもきれいにならない場合は、中性洗剤を使用してください。低濃度のアルコール洗浄剤を適量湿らせた布で拭くと、水では落せない汚れを落とすことができます。溶剤を使用した後はきれいな水で拭い、柔らかい布で空拭きします。ラミネート素材向けの一部の溶剤は、クリアラッカー塗装等ラミネートと組み合わせて使われている素材にダメージを与える可能性がありますのでご注意ください。

注意点
・強く擦ること。
・特定の箇所に強い摩擦をかけること(表面の塗装が不均一になる場合があります。)
・研磨すること。
・メラミンスポンジ等を含む研磨剤の使用。
・強アルカリ性や酸性の洗剤の使用。
・鋭利なもので傷つける行為。
・高温のものを載せること。
・染みになるものを放置すること。
・強アルカリ性洗剤と酸性洗剤の使用。

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リノリウムについて
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リノリウムは、亜麻という花の種から取れる亜麻仁油を原材料としてコルク粉、木粉、石灰岩、天然色素、ジュート、松脂等を混ぜ合わせた天然素材から作られています。アルテックが現在使用しているリノリウムの表面は、薄いアクリル層で覆われており、汚れがつきにくい素材です。

日常のお手入れについて
毎日のお手入れとして、水と中性洗剤で湿らせた柔らかい布で表面を拭き、乾かしてください。汚れが酷い場合には、中性洗剤を少量布に取り、汚れを拭き取ります。洗剤をすすいだ後は乾かしてください。ヨーロッパのリノリウムメーカーの「Forbo(フォルボ)」は、固形石鹸の使用を推奨しています。

汚れの落とし方
汚れがついてしまったらできるだけ早く取り除いてください。汚れを落とすには、中性洗剤の使用がお勧めです。水に溶けない油汚れ等、中性洗剤では落ちない場合は、低濃度のアルコール洗浄剤を使用し、湿らせた布で表面を拭いて乾かします。しかし、これらの溶剤を使用することでダメージが生じる場合もあるため、使用する前には必ず目立たないところでテストをしてください。
リノリウムのメーカーは、小さな傷のお手入れとして、下記の方法を推奨しています。
・繊維の細いスチールウールで亜麻仁油を表面に塗り、その後、余分な油を拭き取ってください。
・傷のついた箇所をクルミで擦った後、布で磨いてください。

注意点
・強く擦ること(特定の箇所に強い摩擦をかけると、表面の塗装が不均一になる場合があります。)
・メラミンスポンジ等を含む研磨剤の使用。
・強アルカリ性洗剤と酸性洗剤の使用。
・アセトンやシンナー等強力な溶剤の使用。
・高温のものを載せること。
・大量の液体をこぼしたり、拭き取らずにそのまま放置すること。
・コーヒーや赤ワイン等、染みのできやすい液体をこぼすこと。
・鋭利で引っかけやすい物の使用。
・鍋、グラス、花瓶、食器を直接置くこと(コースターや敷物等を敷いて使用してください。)

ファブリックについて
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アルテックの家具はさまざまな種類のファブリックを張り地として選ぶことができます。ファブリックのメーカーやファブリックの素材によってそれぞれの特徴があります。ファブリック張り製品を長持ちさせるためには、目的に合った生地を選び、メーカー推奨の使用方法やお手入れ方法を守ることが大切です。

日常のお手入れについて
ファブリック製品の基本的なお手入れは定期的な掃除機がけです。掃除機をかけるときは、適切なノズルを使い、強すぎない吸引で優しくお手入れしてください。また、日焼けを防ぐためにファブリックへの直射日光を避け、湿気の多い場所での使用はお避けください。クッション等は時々方向を変え使用してください。生地の中には防汚加工が施されているものもあります。

洗濯について
家具から取り外せる布地であっても水洗いができるとは限りません。洗濯の前に必ず洗濯表示を確認してください。また、見えない部分でテストをしてから洗濯されることをお勧めします。洗う際にはその布地に適した洗剤を使用してください。洗った後、手でファブリックの形を元に戻し、風通しの良い場所で乾燥させます。家具から取り外し可能なファブリックは、洗った後、湿ったままの状態で家具に戻し、乾燥させてください。防水加工が施されているものでも、洗濯の際はドライクリーニングをおすすめします。取り外しのできないファブリックに関しては専用の洗剤等を別の布に染み込ませ、汚れをふき取ってください。また、水洗いは色落ちや縮みの原因にもなります。ほとんどのファブリックは洗濯後に多少縮み、天然繊維は合成繊維と比べ縮みが大きい場合がありますので、クリーニング店等での洗濯をお勧めします。

汚れの落とし方
埃や薄い汚れは掃除機をかけて取り除きます。合成繊維の汚れは湿った布で拭きとることで落とすことができます。天然繊維の場合は、まず布地の見えにくい部分で洗剤を試したのち、洗剤やシミ抜き剤を使って汚れを取ってください。ウールの汚れは、ぬるま湯と中性洗剤に浸し、固く絞ったタオル等の布を汚れの上から軽く叩くように拭くことをお勧めします。

注意点
・漂白剤の使用。
・乾燥機の使用。
・強く擦ること。
・鋭利なもので傷つける行為。
・水をかけたり、湿気の多い場所での使用。
・特定の箇所に強い摩擦をかけること。
・紫外線や直射日光の当たる場所での使用。

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レザーについて
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アルテックの家具はさまざまな種類のレザーを張り地として選ぶことができます。そのほとんどが表面保護加工を施したものですが、表面保護加工を施していない天然のレザーや着色レザーも採用しています。アルテックの家具に使われている最も一般的なレザーは、デンマークのレザーメーカーSorensen(ソレンセン)のPrestige(プレステージ)とElegance(エレガンス)。この2種は、汚れや水、油分に強い表面保護加工が施されています。また、品質の高いアニリンレザー(Sorensen Elegance)等は天然のままのものが多く傷や色等の素材の経年変化が楽しめます。

日常のお手入れについて
革製品のお手入れには石鹸またはレザー専用クリーナーを使用してください。多目的クリーナーは革にダメージを与え、ワックス等の表面処理は毛穴を塞ぎ、自然な通気性を妨げる可能性があります。また、定期的に、湿らせた布や柔らかいスポンジで革についた埃を拭き取った後、掃除機でのお手入れをおすすめします。直射日光やストーブ等熱源の近くでの使用を避けてください。

汚れの落とし方
スポンジや布に中性洗剤を含ませて汚れをこすらずに軽く叩きます。水で湿らせた布で拭き取り、その後、乾拭きをしてください。レザーメーカーのSorensen(ソレンセン)は、石鹸の泡で洗浄することを推奨しています。

注意点
・溶剤及び溶剤洗浄剤の使用。
・酸性洗浄剤の使用。
・研磨剤の使用。
・直射日光や熱風をかけること。
・デニム等、色が移りやすいファブリックの使用。
・汚れた手での使用。
・革を濡らしたり、濡れた革をこすること。

ウェビングについて
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アルテックが使用しているウェビングはリネン100%です。2019年に、品質と耐久性、カラーバリエーションを改訂しました。以前は防汚処理が施されていましたが、新しいものは化学薬品を一切使用していません。また、ウェビングを使用した製品は張り替えが可能です。

日常のお手入れについて
専用のノズルを使用して、優しく掃除機をかけます。汚れは中性洗剤で落とし、水拭きしたのち、乾燥させてください。

注意点
・紫外線や直射日光の当たる場所での使用。
・特定の箇所に強い摩擦をかけること。
・濡れた状態で生地を伸縮させること。
・生地が完全に乾かないうちに使用すること。