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第41回 「世界で一番美しい」究極デザインのゴミ箱。


SWING BIN(スウィングビン)

SNSや雑誌などで素敵なインテリアを目にする度に自分の家もこんな風にできれば…といつも思うのだけれど、理想と現実の間には大きな開きがあってその距離はなかなか縮まらない。その理由は「狭い割にはモノが多い」「生活感が溢れ出ている」の2つに尽きる。家が狭いのはもうどうしようもない。モノが多いのは仕事柄、本やサンプル、撮影に必要な小物や機材などがたくさんあって、これを処分するわけにはいかない。そして最大の悩み“溢れ出る生活感をどう薄めていくか”なのだが、これを解決するのが結構厄介で難しいのだ。世の中には便利なモノがたくさん売っていて、慌ただしい日々の暮らしの中で必要となる生活用品は、どうしてもその便利なモノに手が伸びてしまう。しかし便利なモノ=オシャレかというと、残念ながらそうではない場合も多い。利便性を取るかオシャレを取るか…常に葛藤とせめぎ合いの中で、このSWING BIN(スウィングビン)はその両方どりをしているとても嬉しいアイテムだ。


世界で一番美しいゴミ箱
2010年にミラノ・サローネで発表され、世界の注目を浴びた、SWING BIN。イギリスでは『Wallpaper*』誌の「DESIGN AWARD 2011」で賞を獲得、『MONOCLE』誌でも「Design Directory 2010/11 Top 25 products」に選ばれた。しかし「世界で一番美しいゴミ箱」と称され高い評価を得たもののその後数年間、このゴミ箱は商品化には至らなかった。「世界で一番美しいゴミ箱」を量産するにはそれ相応の資金と緻密な計算、そして高い技術力が必要だったからだ。しかし、クラウドファンディングで資金を集め、失敗、修正を繰り返し多くのトラブルを乗り越えた末、発表から4年後の2015年にSWING BINはようやく発売に漕ぎ着けた。それは諦めずに理想を追い求めたデザイナー、竹内 茂一郎 (たけうち しげいちろう)と製造販売をする株式会社プラスティックスが積み重ねた努力の賜物だろう。そして2016年にSWING BINは、「グッドデザイン賞」を受賞した。


構造もシンプルでミニマル
SWING BINの魅力はフォルムの美しさだけではない。その究極とも言える構造のミニマルさと、使い勝手の良さにも人々を魅了する要因がある。円筒形を斜めにカットした本体上部の縁にはわずかな段差があり、切り込みのある蓋をその段差に引っかけるようにしてのせるだけ。ネジやギア、ワイヤーなどの部品は一切付いていない。それなのに上から押すと蓋はクルっと回転し、スタンと元に戻る。本体内側に小さな突起があってそれがストッパーとなり、蓋は垂直になる以上は回転しない。初めてこの構造を目にした時は、そのシンプルでスマートな仕組みにかなり驚いた。そして蓋は本体にただ置かれているのみなので、外す時は上に持ち上げるだけ。中のゴミを収集する際もこの構造のおかげで、とても容易に行うことができるのだ。また、付属品で塩ビの細長い板が付いておりこれを円筒形に丸めてポリ袋などを引っ掛け本体内側に収めると、内部を汚さずにゴミが溜められるという仕組み。このゴミ袋を引っ掛ける方法もシンプル極まりなく、まあ最初はちょっとコツが必要なものの、慣れれば簡単に袋をセットできる。


高いインテリア性
シンプルで美しいモノは、もちろんインテリア性も高い。ゴミ箱のように生活感が出がちなものは存在感がありすぎると少し鬱陶しく感じるが、このSWING BINは自己主張がしっかりありながらも自ら存在感を薄くしてインテリアに馴染むという魅力的なデザインだ。カラーは3タイプあるので、部屋のテイストや好みに合わせてセレクトできる。あえてカラー違いを組み合わせて一緒に置き、ゴミの分別をするというのも手だ。カラーやサイズが違えば並べて置いてあっても捨て間違えることも少ないだろうし、ミックス感がまたオシャレだったりする。高さは2サイズあって場所や用途で使い分けができるし、スリムなためスペースもさほど取らない。背の低いSの方は高さが30cmなので、チェアやサイドテーブルの下に収めてしまうことも可能だ。

シンプルでオシャレな暮らしに憧れるけど、どうしても生活感が出てしまいがちのゴミ箱。スタイリッシュで究極なデザイン構造のSWING BINは、そんな悩みを1つ解決してくれるかもしれない。


 

>おわり

ご紹介アイテム


 

□ SWING BIN / ホワイト×ハードメープル

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□ SWING BIN / ブラック×ウォルナット

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□ SWING BIN / グレー×ハードメープル

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□ SWING BIN S / ホワイト×ハードメープル

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□ SWING BIN S / ブラック×ウォルナット

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□ SWING BIN S / グレー×ハードメープル

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センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。