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第49回 いつもの時間を特別にするアンビエントランプ。


ターンプラス

仕事場が自宅だと、家にいる時間が本当に長い。今日は1歩も外へ出なかった、なんてこともよくある。最近は会議もほとんどリモートになり、家族や友人と外出する機会も以前よりは少なくなった。毎日毎日同じ部屋で仕事をし、食事をし、たまに買い物に出かけたり休日に美術館へ足を運ぶこともあったりするが、それ以外はずーっと家。まあそれは当たり前の生活でもあるのだが、なんかもう少し変化が欲しい、というかちょっと飽きちゃったな…なんて思ったりもする。代わり映えのしない部屋で、代わり映えのしない毎日。たまに家具の配置を変えてみたり、花を生けてみたりして気分転換。でもなんかもっとドラマチックにパッと変わるような何かがないだろうか…。


空間を演出するアンビエントランプ
この照明TURN+(ターンプラス)は、インテリアの雰囲気を作り出すという役割を担うものだ。そのような照明のことを、アンビエントランプというらしい。上質でデザイン性の高い照明器具を企画製作する国内の企業、アンビエンテック社の製品で、このTURN+とは別に TURNというT型のスタイリッシュなランプが存在する。どちらもデザインを手掛けるのは、NY在住の田村奈緒氏。TURNの方はTURN+と違い、主に手元を照らす役割のタスクランプ。それに対してアンビエントランプのTURN+は、自身が放った光を纏ってキャンドルのように優しく灯る。夕暮れ時、薄暗い部屋でこのTURN+のスイッチをオンにする。すると瞬間にその場の空気が一変、いつもの部屋がお洒落な癒しの空間に変わった。


こだわりの温かな輝き
TURN+の光は、温かみのあるオレンジ色だ。その柔らかな光の秘密はベース部分に仕込まれたLEDライトにある。筒状のクリスタルガラスの底はフロストになっていて、その下に隠れている電球は外からは見えない。光はそのフロストガラスを通し拡散され、周囲を柔らかく包み込む。調光式のLEDは、まるで自然界の光のよう。強めに設定した時は太陽のように、また暗めに設定した場合は低い月光のように輝く。メーカーはこの輝きと色温度にこだわり、この製品のためにオリジナルの新光源を開発したのだそうだ。


金属とクリスタルの調和
TURN+は、真鍮、ステンレス、アルミニウムブラックの3つのタイプがある(写真は真鍮)。ベース部はどれも金属の塊から削り出したパーツで構成されており、そのためそれぞれ金属の比重によって重量が違う。そしてこれらの金属と艶やかなクリスタルガラスを組み合わせたフォルムが、凛としてとても美しい。本体はコンパクトながらもずっしりと重く、その重量感からも上質さが感じられる。


使い勝手の良いポータブルランプ
アンビエンテックのテーブルランプの全てがそうであるように、このTURN+もポータブル仕様だ。なので好きな場所へ持ち運び楽しむことができる。そして、IP66相当(微塵が侵入せず、あらゆる方向からの暴噴流を受けても有害な影響を受けないレベル)の防水性能が備わっている。アンビエンテック社はもともと水中撮影用のライトを開発している企業で、その技術は水深100mでの撮影を可能にする高度なものだ。それを室内照明にも応用しているため、その性能の信頼度はお墨付き。湿度の高いバスルームや屋外での使用ももちろんOK。コンパクトなのでキャンプ等、アウトドアに持ち出して使ってもお洒落。いつものキャンプが極上キャンプに変わること間違いなしだ。


いつもの時間を特別なシーンに
照明は現代の私たちの暮らしに欠かせない。だから人が住まうほとんどの空間には、もう照明器具は備わっていることだろう。しかし機能重視の照明ばかりでは、味気なくつまらない。毎日のいつもの時間を特別なシチュエーションに変える、そんな役割の照明があっても良いと思う。もし日々の暮らしにちょっとした変化が欲しくなったら、ぜひこのTURN+の光に触れてほしい。毎日、見飽きた室内がドラマチックに変わる瞬間を、体感してもらえたら嬉しいなって思います。


※ターンプラスは水中ライトではないので、水中に沈めての使用はできません。
※屋外に出しっぱなしでの使用はできません。


>おわり

ご紹介アイテム


 

□ターンプラス TURN+ ブラス
TP-01BS

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センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。