第40回 上質なリネンを暮らしにとり入れる。
USVA リネンブランケット / USVA マルチユースタオル
USVA リネンタオル
(※)一部販売終了商品がございます。
私たちは暮らしの中で、様々な布を使う。身に纏う衣服はもちろん、バッグや靴などのファッション小物も布で作られているものは多い。また家の中で使用するアイテムも、寝具やタオル、キッチンやテーブル周りのクロス、クッションやソファ、ラグなどの敷物まで、大概は糸から織られたテキスタイルでできている。そう考えると布は私たちにとって一番身近な素材で、なくてはならないもの。そして、そんな布製品選びはとても楽しい。お気に入りの布が1枚あるだけで、毎日が幸せだったりする。たった1枚の布が日常に大きな変化をもたらすことだってあるのだ。
「霧」を意味する「USVA(ウスヴァ)」
シックなグレーベージュのトーンになんとも美しいカラーラインが入った、LAPUAN KANKURIT(ラプアンカンクリ)のUSVA(ウスヴァ)。フィンランド語で「霧」という意味のこのテキスタイルは、そこにあるだけでお部屋をやさしく心地良い空間に変えてくれる。ウォッシュドリネンの柔らかでさらっとした手触り。目の詰まった上質な織の質感。そしてリネンという天然素材が持つ風合い。緯糸(よこいと)に脱色も染色もしていない糸を使用することでリネン本来のナチュラルな色合いが生かされていて、それがデザイナー、アヌ・レイノネンのこだわりでもある。使えば使うほどに柔らかく馴染みまた経年変化で出てくる風合いは、何物にも代えがたい魅力がある。
タオルとして使う
最近、密かにリネンのタオルが人気らしい。タオルといえばコットンのパイル地が定番なのだけれど、なぜ今リネンタオルが注目を浴びているのだろう?
リネンは吸水性が高く、乾きも抜群に早い。そして何よりとても丈夫。なんと水に濡れると繊維の強度が60%ほど増すのだそうだ。そのうえ通気性が良く雑菌の繁殖を抑えてくれるので、清潔を保ちたいタオルには最適な素材と言える。またパイル地のタオルは使っていくうちにだんだん硬くゴワゴワになっていきがちだけど、リネンは洗えば洗うほど柔らかくなりいつまでも風合いが変わらないのが大きな魅力だろう。
USVAのハンドタオルは色違いがあるので、家族の数だけ色別に用意すれば、マイタオルとして清潔に心地良く使える。パイル地のタオルと違ってかさばらないので、お出かけ時に持っていくのにも最適。手洗いを頻繁に行うようになった今日日、1枚あると嬉しいアイテムだ。
ケットとして使う
USVAのシリーズには、95×180cmのマルチユースタオルがある。この大きなタオルをバスタオル代わりにしても良いのだけれど、それよりもサマーケットとして使うのが、このアイテムのもっとも適した使い方なのかもしれない。梅雨の季節のちょっと肌寒い日や暑い夏の冷房が効いた部屋、またアウトドアなどでもひざ掛けにしたり、お昼寝用のケットとして使うのにほど良い感じのサイズ感。子ども用のブランケットとしてもぴったりだ。
また150×260cmのブランケットの方は、主にベッドルームで。コットンケットやタオルケットだとちょっと暑くて夜中に剥いでしまいそうな時も、薄手のリネンケットなら安心。また、シーツ代わりに下に敷いて使っても。リネンは通気性も良くてさらっとした肌触り。水分の吸湿、発散も早く涼感があるため、夏には理想的な素材だと思う。
キッチンで使う
48×70cmのハンドタオルは、少し大きめなキッチンクロスのサイズ。だから食器を拭いたり埃除けに食品の上にかけたりと、キッチンやダイニングで活躍する。リネンは吸水性が高いうえ綿と比べて毛羽立ちにくいので、グラス類を拭くのにも最適。ちょっと変化球的な使い方だけど、腰に巻いて紐やクリップでとめれば、エプロンにすることも。沢山用意して、どんどん使ってガンガン洗う。こんなおしゃれなリネンクロスがあったら、毎日のごはん作りも楽しくなりそうだ。
テーブルで使う
ブランケットやマルチユースタオルはさっと広げてテーブルを覆うと、素敵なテーブルクロスに早変わり。ラインが入っているだけのシンプルなデザインなので料理や器を引き立たてる上、手が触れた時のするっとした感触が心地良い。またハンドタオルはランチョンマット代わりにしたり、ナフキンとして膝の上に広げて使うのにもぴったり。リネンは汚れが付きにくく落ちやすいうえ丈夫なので、テーブル周りで活躍させるのにとても適した素材でもある。
かつてヨーロッパではリネンをお嫁入り道具の一つとして持たせる風習があったそうで、その家に代々伝わるリネンがあったりする。また、昔は病気の治療のために患者にリネンを着せたり、今でもフラックス(亜麻)の種を薬やサプリメントとして飲んだりすることもあるようだ。ヨーロッパでのリネンはそれほどまでに人々生活に密着していて、しかしその特長を知れば知るほどなるほどなと納得してしまう。
日々の暮らしに必要不可欠な布製品。こんなおしゃれで使い勝手の良いリネンがあったら毎日を心地良く、ちょっとだけ幸せがプラスするような、そんな気がします。
>おわり
ご紹介アイテム
センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。
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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー
神奈川県在住。
グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。
1999年からフリーランスで、活動中。
大学生の娘と夫との3人暮らし。