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カール・ハンセン&サンのOPEN CRAFT STUDIOに参加してきました|2023年11月9日

クラフトスタジオ

都内某所に構えるカール・ハンセン&サンの工房。そこで行われた、CARL HANSEN & SØN JAPAN 主催の工房見学会「OPEN CRAFT STUDIO」へ、センプレ一行で参加してきました。
こちらの工房では主に、商品の座面の張り替えや修理などが行われています。このような見学会は今回初の試みとのことで、貴重な機会に胸を躍らせながら見学して参りました!

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工房までは最寄駅からメーカーさんの導きで移動。遠足のような楽しい雰囲気の中で、工房に到着しました。

工房内に入ってみると

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長い通路を歩いた先に現れた小さな工房は、空間全体が白く、工具や書類なども整頓され、清潔感のある空間が広がっていました。
工房内で働く専属の職人さんは、18年続けるベテランの方から1年目の方まで、全員合わせて4人。ベテランの方を中心に、家具業界で働いてきた経歴を持った方たちが活躍しています。この日も専門知識のない私たちを優しく出迎えていただきました。

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入口付近には職人さんたちのクラフトマンシップを表しているような、木製のカール・ハンセン&サンのロゴマークが。素敵…!

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壁際には、座面が取り付けられる前のCH88がずらり。工房ならではの光景です。

さっそくCH24の修理をしていきます

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今回の見学では、実際にお客さまから依頼を承ったCH24の修理の様子を伺います。カール・ハンセン&サンの製品の中でも名作として広く知れ渡っているCH24。やはりご依頼の中で一番多いのは、CH24の座面の張り替えなのだそうです。

まずは座面をカット
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【1】チェアを検品した後、ゴミ箱の上にCH24をセットし貼られていたペーパーコードをハサミで豪快に切っていきます。この様子に一同衝撃!

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【2】カットしたペーパーコードをゴミ箱に落としていきます。カット中はお客さまのお人柄を感じながら作業していると語り、黙々と作業する職人さん。

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【3】細かい箇所もハサミを変えながら切り落としていきます。

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【4】骨組みだけのCH24になりました。ちなみに、ペーパーコードは太ももが当たるところが一番劣化しやすいみたいです。

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【5】カットし終わった後は埃やペーパーコードのカスが骨組みに残らないよう、エアコンプレッサーで吹き飛ばします。


チェアの接着確認から、部材の交換まで

次にチェアの接着確認と部材の交換に入ります。

接着確認
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【1】ガムテープや布で巻いたハンマーでチェアを叩いて、状態を見ていきます。チェアを傷つけないための配慮もバッチリ。

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【2】接着が弱いところには印を付け、器具で締めて一晩寝かせます。

部材の交換
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【1】工房では様々な部材を用意しているので、一部が汚れたり割れてしまっても、パーツごとの取り替えが可能です。なるべく元の状態と色味を合わせるよう、ステインなどで色を付けてお届けします。

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【2】一部を交換する際、基本的には叩いて外して交換になるのですが、割れているパーツの接着がしっかりしている場合はノコギリで少しずつカットしていき、徐々にパーツを外していくそう。今回は節に割れができてしまったチェアの脚を交換します。

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【3】交換したい脚の上部にノコギリで切れ目を入れていきます。

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【4】ノコギリで切れ目を入れたところを、ノミで叩いて割っていきます。地道な作業も淡々とこなす職人さん。

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【5】切って割っての作業を繰り返し、脚があらかた削れてきたところで、ハンマーを使用して取り外します。ようやくパーツの交換です。

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【6】接着部分にボンドの塊や木のささくれがあるとうまくはまらないとのことで、新しいパーツと交換する前に先端を綺麗にしていました。

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【7】取り替えるパーツの穴にボンドを塗ります。

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【8】接着部分にもボンドを塗り、より強度を高めていきます。はめ込みを一発で成功させるのは至難の技。毎回2〜3回調整してようやく交換作業が終わるそうです。

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【9】ボンドで接着したチェアは専用の器具できつく固定し、一晩圧着させます。


いよいよペーパーコードの編み込みです

ここからはお客さまのCH24ではなく、カール・ハンセン&サンが所持しているCH24に入れ替え、ペーパーコードの編み込みに移ります。ベテランさんと新人さんで1脚ずつ、同時進行で2脚の編み込みが行われました。

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【1】器具でチェアと台を固定して編み込み開始です。

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【2】ペーパーコードのロールから編み込み8回分の長さを出してカットし、編んでいきます。1脚に使用するペーパーコードの長さはなんと120m!

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【3】工房にはロールのペーパーコードがいくつも用意してありました。ロール1つで4脚分の座面が編めるそうです。カラーはナチュラルの他にブラックも用意されていました。

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【4】編んだ座面が解けないようにコの字の金具で止めながら、時計回りに回転し編み続けます。

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【5】ペーパーコードが短くなってきたら、ペーパーコード同士を「一重継ぎ(ひとえつぎ)」で繋ぎ再び編んでいきます。この一重継ぎは引っ張る度に強度が増す結び方だそうです。

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【6】レザーの手袋をしていても1週間でダメになってしまうほど、丈夫なコードを力強く編んでいく職人さん。作業をしていくうちにだんだん指も太くなっていくそうです。

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【7】編み込みながらハンマーでペーパーコードを寄せて、隙間がなくなるまで作業を繰り返していきます。

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【8】隙間がなくなり、結び目をペーパーコードの下に忍ばせたら、完成です。

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【9】ペーパーコードを編む際に使用した工具たち。作業にはこれだけの工具が必要なのですね。


編み立てのCH24にいざ着席
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完成したチェアに座ってよいとのことで、実際に座ってみました。当然ですが2脚ともしっかりと張られており、安心感のある座り心地。先ほどまで編まれていたものに座るのは、なんとも不思議な感覚でした…!

ガタつきが無いように脚も調整し、完成!

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チェアにガタつきがある時は、サンダーでやすってバランスを見ながら調整していきます。やすりすぎないように慎重に。技術が問われる作業です。職人さんは一発でガタつきのないチェアに仕上げていました。

座面の編み込み体験も行われました

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ペーパーコードの編み込み体験の時間を設けていただき、スタッフ一同で体験することに!力を込めて挑戦したものの、我々が編んだところだけ隙間が空いているのが分かります…。
スピーディかつ丁寧に編み込んでいく職人さんの素晴らしさがより感じられる機会となりました。

おまけ

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この日の食事は、サンドウィッチやドリンク、フルーツまで、カール・ハンセン&サンの方々がたくさんのご馳走を用意してくださりました。ペーパーコードの編み込みを眺めながら、CH24に座っておいしい食事をいただく時間は、大変贅沢で豊かなものでありました。


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