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第33回 スケルトンフレームで美しく飾る


フレーム / MOEBE

実家の押入れで古いアルバムを見つけた。染みが付き色褪せた表紙をめくってみると、そこには若く美しい母と家族の姿があった。手焼きでプリントされた銀塩写真。父が撮ったモノクロームの世界の中には、柔らかい時間が流れていた。
父は若い頃から写真が好きで、自宅で自分で現像プリントをしていたこともあったという。今の様にデジタルカメラなど無い時代。フィルムに納められた画は現像されるまでどう写っているのかわからない。そして現像が終わったネガフィルムを、ドキドキしながら紙焼きする。酢酸の匂いがする暗室で、現像液の中から浮かび上がってくる画像を見つめる時のワクワク感は堪らない。なので父が写真を好きになった理由も良くわかるし、私もしっかりその血を受け継いでしまっている。残念ながら父も私も最近は、フィルムで撮影することも自分でプリントすることもほとんどなくなってしまった。しかしやはりフィルム写真は私にとってはとても魅力的なもので、だから部屋に飾っている写真もデジタルで撮影されたたものはほとんどない。
写真は撮影するのももちろん楽しいのだけれど、飾るとまた違った魅力がある。リビングルームにはモノクロームの写真を飾るのが好みで、我が家のインテリアにはこれが一番しっくりくる。そしてそんな写真を飾るためのフレームもかなり重要だったりする。フレームや額はそこに納められる作品の引き立て役だ。なのでフレームが主張しすぎてはいけない。シンプルでミニマル。枠も極力細いのが好きなので、そういう意味でこのMOEBEのフレームは最適だった。


MOEBEは2人の建築家と1人の家具職人で構成されプロダクトを発信している、デンマークのブランド。北欧ならではのシンプルで洗練されたデザインが魅力的だ。
そんなMOEBEのフレームを使って、部屋を飾ってみる。アルバムの中からピックアップしたいくつかの写真。手焼きでプリントしたものもあればスキャンして紙に出力したものもあるが、それでも壁面にたくさん飾れば、ただの白い壁が一気にギャラリーのようになった。
このMOEBEのフレームはスケルトンなつくり。裏板のない透明なフレームは中に収めたものを、まるで宙に浮き上がらせる様な不思議な効果を発揮する。透明なので収めたものの形が影として、そのまま壁面に落ちるのも面白い。またフレームを重ねて飾ると長方形が交わった幾何学の世界が生まれ、それだけでアートになる。背景が透けるので、色壁を生かした飾り方などもできるのだ。


もちろんMOEBEのフレームに似合うのは、写真だけではない。イラストやアート作品、お気に入りのポストカードだってお洒落に飾ることができる。直接フレームのアクリルに絵を描いてみたり、小さなパーツを集めて収めるのもアイデア。厚さが1mm程度までのものなら挟めるので、娘が作った刺繍のパーツを入れて飾ると、かわいい手芸コーナーができた。また昔旅した街の地図と、交通機関やミュージアムなどのチケットを収めて。使い込んだ古い時刻表と一緒に飾ると、それなりに格好よく見える。フレームがお洒落なので特別なアート作品などなくても、素敵に部屋を飾ることができるのだ。


最後にMOEBEのフレームの使い方を、簡単にご説明。
四方のフレーム枠には溝があり、そこにはまっている1本の黒いラバーバンドで固定されている。フレームを持って引っ張るとバンドが伸びて、アクリルから外れる仕組み。新品の状態はちょっとラバーが硬いのだけれど、使っているうちに柔らかくなって伸びやすくなる。壁にかける時はラバーだけをつまんで引っ張って、吊るせばOK。ネジが付いていないので工具もいらない。フレームが細い上ガラスではなくアクリルを使っているため軽量で、プッシュピンでも壁に固定できるのだ。

部屋にアートや写真を飾るのって憧れるけれどちょっと難しいのでは?と思ってしまいがち。けれど、このMOEBEのフレームなら誰でも簡単に素敵に飾ることができる。サイズもA5からあるので廊下やトイレや洗面所など、ちょっとしたスペースに飾ってもお洒落ですよ。

>おわり

ご紹介アイテム

□ フレーム A5 オーク

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□ フレーム A5 アルミ

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□ フレーム A4 オーク

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□ フレーム A4 アルミ

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□ フレーム A3 オーク

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センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。