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第13回 季節を感じるベランダガーデン


石巻スツール etc...

物心ついてから結婚するまで住んでいた家は、東京の世田谷区にある団地だった。敷地内は緑豊かで、とりわけ自宅があった棟は三方を木々に囲まれていた。南側のベランダに向いた窓を開けると目の前には広葉樹の林が広がり、鳥のさえずりや土の香り、風に揺れる木の葉の音などで季節を感じることができた。子どもの頃はよくベランダに敷物を敷いてそこで遊んだ。庭こそないけれど、そこは私にとっての小さなオアシスだった。そんな場所で育ってしまったせいか今でもベランダが好きで、今の家もベランダの広さとそこから見える風景で決めてしまったところがある。
現在の自宅は高台にあり、南側に少し奥行きのあるベランダが付いているマンションだ。もともとベランダの向こうには小さな林があってその風景は、育った団地に近いものがあった。
ところが数年前、なんとその林が伐採されて戸建ての住宅地に変貌した。最初はかなりショックだった。しかし 運が良いことに高台の三階にある自宅の部屋は、目の前の住宅の屋根より少し高い位置にあった。おかげでほとんど住宅が目に入らず、そして思いがけず遠くまで見渡せる眺望を手に入れることとなった。


風景は変わってしまったがそんな自宅のベランダが、今でもとても好きだ。せっかくの景色を楽しみたいし、林がなくなってしまった分、ベランダで自然を感じたい。
それにはまずガーデニングからと思い立ち、植物を育てることにした。しかし、ベランダの場合庭と違って地植えができない。それが最大の欠点なのだけれど、最近はプランターやグッズなどいろいろ工夫されているものがあることを知った。中でもこの「BAC SAC(バックサック)」は布製の鉢の中で、植物にとって地植えに近い理想的な環境を作り出すというもの。使われている素材はジオテキスタイルという生地で、袋の中で土と水と空気がバランスよく保たれる。霜や紫外線にも強く100%リサイクル可能。そして軽くて丈夫。もともと護岸工事用などに使う素材だから、当然屋外に出しっぱなしにしておいても問題ない。我が家の周りは結構風が強く、そのため焼き物の鉢植えが倒れて割れてしまったことがあるが、その点この「BAC SAC(バックサック)」なら、壊れる心配もない。

ガーデニングの作業をする時、ちょっとした腰かけが欲しいなとよく思う。しゃがんだ状態で作業するのは結構辛く足腰が痛くなることがあるけれど、そんな時には「CARRY STOOL(キャリースツール)」がとても重宝する。小さいけれど頑丈な作りで、踏み台代りにしても大丈夫。そしてユニークなのは、逆さまにするとトレーに変身するのだ。作業の際にツールを入れて移動したり、ちょっとした飲み物などを運ぶのに使うこともできる。かなりコンパクトなので、ベランダの片隅に置いておいても邪魔にはならない。

それから、同じようにトレーとして、また収納としても使えるのが収納ボックス「MAKIBAKO(マキバコ)」やツールなどを入れて使っても便利だし、植物や雑貨を並べて飾るのも可愛い。こういった木のものは風雨に当たるとどうしても朽ちていくのだが、またその経年変化も楽しくてそれ故に愛おしさが増したりもする。

そしてグリーンいっぱいのベランダガーデンができたら、今度はそこにくつろぎの場所が欲しくなるもの。しかし、よくあるガーデンチェアやテーブルは、狭いベランダには少しばかり大きかったりする。けれどこの「石巻スツール」はそんな場所でもコンパクトに納まる、程よいサイズ感。キャンプ場にでもあるような頑丈でちょっと無骨なデザインは、アウトドア心をくすぐる。ハイスツールは椅子として使うのはもちろん、ちょっとしたものを置くテーブル代わりにもなる。我が家の場合ベランダの手すりがコンクリートで目隠しされていて、その上結構高さがあるため普通の椅子に座ってしまうと外の風景が全く見えなくなってしまうのだが、このハイスツールなら存分に景色を楽しむこともできるのだ。

今回ご紹介した木製品たちは、宮城県にある石巻工房の製品。石巻市は東日本大震災の津波で、甚大な被害を受けた地域。そんな石巻市の人たちが、DIY をできる場所があれば復興が早まるのではないかと考え、首都圏に住むデザイナーなどの協力のもと立ち上げたのがこの石巻工房だ。製品の材料は主に2×4のレッドシダー。これは被災直後たまたま復興支援イベントのために材料を寄付してくれたのが、カナダのレッド・シダー協会だったから。この材は柔らかく傷つきやすく狂いやすいが、逆に強度と耐久性がありアウトドアで長年風雨にさらされても腐りにくい。それが、震災で何もかも無くなってしまった地域の復興には、ぴったりの材料だったのだ。

お気に入りのベランダで楽しむガーデニング。今度は野菜を育ててみようかな、なんて考えながら土いじりをする。そして休日の午後、景色を眺めながら石巻工房のハイスツールに座って飲むビールが、また最高に美味しかったのでした。

>おわり

ご紹介アイテム

□ バックサック

都会でガーデニングを楽しむ方に最適なプロダクト。

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□ キャリースツール

トレーとしても使えるスツール。

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□ マキバコS

素朴でナチュラル。あらゆる場面に対応する収納箱。

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□ マキバコ L

大きめの穴は、見た目のアクセントにもなっています。

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□ 石巻スツール

仮設住宅のためにつくった、かわいらしいスツール。

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□ ティンバーポット

丸太の状態から一つ一つ削り出して仕上げた、木製の鉢植え。

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□ キャンドル

虫よけ効果にも適しているキャンドル。

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□ 倉又式噴霧器【取扱終了】

最高級卓上手押噴霧器

取扱終了

センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。