GLOBALレクチャー会コラム
長く愛される包丁メーカー「GLOBAL」のレクチャー会が行われました。
先日、SEMPRE HOMEの2Fに吉田金属工業の木下さんと真島さんをお招きして行われた「GLOBALレクチャー会」。「GLOBAL」とは、世界初のオールステンレス一体型包丁として世界各国で人気の包丁ブランドのことである。キッチンツールに詳しくない私でさえも、SEMPRE入社前に何度かお店で目にしたことがあるほど有名な包丁なのだ。長く愛され続けているからこそ、その人気の理由やストーリーをいま改めてお伺いした。
吉田金属工業は、刃物や金物、洋食器などの生産が盛んな新潟県・燕の地で誕生。燕という土地柄カトラリーがメインの会社だったそうだが、1960年ごろから包丁の研究をスタートさせる。そして長い年月は経ち1983年。ついに世界初の、刃と柄が一体になったオールステンレスの包丁が完成したのだ。
当時木柄が一般的とされていた包丁界に激震が走ったことは言うまでもない。道具としての実用性はさることながら、そのかつてない美しくも斬新な見た目は、世界中のシェフから一般のご家庭まで幅広いユーザーを虜に。
発売から7年後の1990年にはロングライフデザイン賞を受賞し、その後もドイツのDESIGN PLUSの受賞やニューヨーク近代美術館(MoMA)に所蔵されるなど、海外でも多くの人々に認められて爆発的なヒットを記録したのであった。もはや伝説である。
ちなみに、発売当初はそのユニークさから日本でなかなか受け入れてもらえなかったそうで、日本人の人柄が現れているなぁとも感じたりした(そんな日本人が大好きなんだけれども)。
刀身から柄が一体になっていることの何が良いって、まず柄との境目に雑菌が溜まりにくいのでとにかく衛生的。口にするものを扱うわけだから、これは本当に重要なポイントである。
使い終わった後も洗いやすいし、熱湯をかけてあげればハンドル含め消毒することも可能なんだとか。ズボラ人間には大変ありがたい…(※熱湯を使う場合はやけどにご注意ください)
よくよく思い返すと、今まで包丁選びに関してあんまり深く考えたことがなかった。ただ漠然と「包丁はステンレスが良いのよね」くらいの認識であったのだが、ステンレス包丁が多くの支持を受けるのは、おそらく「錆びにくい」からだろう。
科学的な話になってしまうのだが、ステンレスは空気に触れると薄い保護膜ができ、その膜に覆われることで包丁に含まれる鉄が酸素・水分と結合しようとすること(いわゆる「錆」)から守ってもらえるのだ。
GLOBALの包丁には硬度を高めるため、ステンレスの中に炭素が含まれている。これは錆びやすい原因になってしまうのだが、中性洗剤で手洗いし、水気を拭いてから風通しの良い場所で保管すれば問題ないとのこと。
これはどの包丁においても基本的な手入れ方法になるので、特別難しいことではない。(※市販の洗剤は中性のものが多いみたいです)食洗機での洗浄は他の食器の食材カスなどが包丁に付着して錆びや変質の原因になる可能性があるので、控えたほうが良いみたい。
ただ、毎日大事に扱っていたとしても月日が経てば切れ味も落ち、ときには錆びてしまうことも。これはもう致し方なしなのだが、GLOBALは有償の研ぎ直し(1,000円~)やサビ落としなどのアフターフォローが充実しているので安心。シャープナーも効果的だが、熟練の刃つけ職人にメンテナンスをお願いすれば、購入時と同様の切れ味が復活するのだ!
質の良いものは、ちゃんとお手入れして長く使い続けてあげることが大切です。研ぎ直しサービスについて詳しく知りたい方は、吉田金属工業(03-6277-8230)までお問い合わせを。新品同様の切れ味はとにかくストレス皆無で、これがかなりクセになる。
レクチャーの最後には、様々な モデルの試し切りをさせてもらえることに。西洋の万能包丁である「牛刀タイプ」と日本の万能包丁である「三徳タイプ」。牛刀はお肉専用の包丁だと思っていたのだがそうではなく、肉料理がメインだった海外と、野菜・魚料理がメインだった日本とでの、文化の違いが刃の形に現れているらしい。
なるほど、またひとつ賢くなった。普段料理をするときは三徳包丁なので、牛刀でトライしてみる。手首のスナップをきかせて刃先のカーブを利用する「押し切り」が最適みたいで試してみたものの、うーん、難しい…。
用途によって使い分けるべきだが、初心者には三徳が良いみたいです。というわけで、三徳もトライ。キャベツもトマトも、サクサク切れてとても気持ちが良い~。定番サイズの三徳18cmは私にはやや大きかったので、すこし小さい別型のペティーナイフ(刃渡り13cm)でも試したみたが、それは小回りも利きよく馴染んだ。どうかご参考までに。
この最高の切れ味と豊富な種類を持つGLOBAL、人気の理由も改めて納得だなあ。そしてかなり個人的な話だが、チーズが好きなのでチーズナイフがほしくなってしまった。近々手に入れたい…。
今回知っているようで知らなかった包丁の歴史や種類、様々な貴重な話をお聞かせくださった木下さん、真島さん、本当にありがとうございました。みなさんにもぜひGLOBALの切れ味を体験していただきたいです。
NETスタッフ 中村