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第22回 祈祷札のお祀りってどうしてる?


御札座 OFUDAZA・木札座 KIFUDAZA

特別信心深いという訳ではないのだけれど、毎年年の初めには初詣をしている。足を運ぶ社寺は自宅近くの神社だったり、少し遠方のお寺さんだったりとその年によっていろいろ。どこであれ鳥居や山門をくぐり手水舍でお浄めをし、境内の佇まいを眺めて神様や仏様に手を合わせると、新しい一年がスタートしたのだという感慨深い気持ちになる。そして、今年一年の無事をお願いする。そう、いつも祈ぎ事ばかりで神様仏様は本当にきいてくださるのかしら… なんて思ってみたりもするのだが。
参拝のあとは、御札や御守をいただいて帰る。たまに、いろいろな社寺で護符をいただいて神様仏様同士が喧嘩をすることはないの?という話を耳にすることがあるが、それは大丈夫らしい。日本人は昔から八百万の神々を信仰している多神教の民族。山には山神様、田んぼには田の神様、台所には荒神さま、お米にもお米の神様が宿っているなどとして、広く自然界から日常生活にまでたくさんの神様がお守りくださっていると信じてきた。その神々は多くの他宗教のように全知全能の一神ではなく、大勢の神様たちが力を合わせてこの世界を守っているという考え。そういえば『千と千尋の神隠し』に登場する神様たちも神々しく偉大な神というより、ちょっと滑稽だったり人間の不始末のおかげで力が弱ってしまっていたりする、身近な神様たちだった。なのでそんな日本の神様たちは皆仲良しで、揉めることなどないそうだ。また、お寺でいただいたものはどうなの?という疑問も湧くが、実は明治になるまで神仏混合の時代が1000 年以上も続いていたそうで、そういう意味でも問題はないらしい。


そうしていただいてきた御札だが、さて、どこにどうお祀りしようかといつも悩む。狭小マンションで核家族世帯の我が家では例に漏れず、神棚も仏壇も厨子もない。リビングにあるのは幅40cm ほどのキュービック型システム収納と奥行き10cm の壁付けシェルフくらいで、今はその上にそのまま立てかけてオブジェや写真などと一緒に飾っている。後にも先にも場所はそこくらいしかないのだが、正直、そんな設置の仕方で良いのかといつも悩んでいた。

今回ご紹介する御札座・木札座は、そんな我が家のような住宅事情でもきちんとお祀りできる、いわゆる簡易神棚だ。紙の御札を納めるための御札座は、神社建築の千木と鰹木をモチーフにしたシンプルなデザイン。そして 木の御札を納めるための木札座は七角形のリングを木札にかけるデザインで、これには「願いをかける」という意味が込められているという。どちらも奥行き10cm と浅く、場所をとらない。最初、神棚を簡略化するって、どうなのかしら?という思いが少しあった。神棚は神聖で正式にお祀りしなければならいもので、毎日ちゃんとお水とお米とお塩をお供えして手を合わせなければいけないもの…。それを怠ったら御利益が薄まったり、それこそバチが当たったりするのではないかしら?と思ったりもしていた。しかし、いろいろ調べてみると、結構簡略化しても問題ないという。それこそ御札を置けるようなスペースもない場合は壁にテープで貼っても良いらしく、なんだかそういう話を聞くと急に気持ちが楽になった。

本来なら御神札は目線より高い位置に、東か南に向けてお祀りするものだそうだ。しかし、現代の住宅事情ではなかなかそうもいかないことが多い。そうした場合は明るく清浄な場所であれば良いらしい。御神札は神様の分身なので、神様が嫌だと思いそうな場所に置かないようにすれば大丈夫。但し水まわりと、人が頻繁に出入りする玄関や障子の上などは避けた方が良いらしい。なので、リビングのちょっとした棚やチェストやテーブル上、目線より高いところという意味では、本棚などでも良いそうだ。

また気になるのは、神社でいただいたものと寺院でいただいたものを一緒にお祀りしても良いのかということ。調べてみるとこれは諸説あって、神様は神棚に祀り仏様は仏壇に祀るという説と、どちらのお札も「祈祷札」(お願いの札)なため両方とも神棚にお祀りするのだという説があった。そう考えるとやはり大切なのはお祀りする気持ちや心遣いなのだろう。神社本庁の公式サイトにも、『家族が親しみを込めて、毎日お参りのできる場所を第一に考えるとよいでしょう。』『お神札をおまつりする場所や神棚の位置、宮形の有無等に捉われ過ぎておまつりをしないよりも、出来る形でおまつりすることが大切です。』 と書かれている。お供えも無理なくできる範囲で大丈夫ということだ。我が家にはお寺さんでいただいた紙の御札もあったので、それも御札座に納めてみた。 御札座は神社の建築をモチーフにしたデザイン。でも寛大な神様仏様のこと、きっと許してくださるだろう。
それから神様にお願いばかりして申し訳ないと思うのは間違いで、お願いはいっぱいしても良いらしい。
大切なのは神さまにお守りいただくという気持ちと日々のご加護に対する感謝の心。ああ、そう言われてしまうと、日々の感謝は足りてないなあ。なんだかちょっと反省。

今回、改めて神棚のことなどを調べて、とても興味深く勉強にもなった。お祀りの仕方についてなどを簡単にご紹介したけれど、詳しいことは神社庁のサイト (https://www.jinjahoncho.or.jp/ 外部リンクとなります)があるので、そちらを参考にされると良いと思います。

>おわり

ご紹介アイテム

□ 御札座 OFUDAZA

神社建築の特徴である千木と鰹木をモチーフに、神聖なたたずまいを見せながらも、暮らしの様々な空間に溶けこむシンプルなデザイン神棚です。

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□ 木札座 KIFUDAZA

木札に鉄のリングを掛ける。願を掛ける。木札の装飾に溶け込む、今までにないシンプルなデザインの木札座。

商品ページへ

センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。