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第32回 お箸の国でMY箸選び


お箸

お箸一考
私たち日本人にとって、なくてはならないお箸。世界では約3割がナイフやフォークなどのカトラリーを使って食事をし、また箸を使う地域も約3割、そして残りの4割は手で直接食べる文化なのだそうだ。これは少し前の統計なので現在は多少の相違はあるかもしれないけれど、でも思いのほか箸食文化圏は広いのだなと感じる。日本での箸の歴史を調べてみると諸説あって、5〜6世紀頃に仏教とともに百済から伝来したとか、遣隋使として派遣された小野妹子が持ち帰ったとかいう説や、すでに縄文時代から使われていたのではないかという説もあったりして定かではない。箸は木製や竹製のものが多く腐りやすいので遺跡からは出土しにくく、そのためなかなかはっきりしたことがわからないのだそうだ。
また中国と日本では食文化の違いもあり、箸の使い方も少し異なるようだ。日本の箸文化で一番特徴的なのは、個々に「自分箸」があるというところ。これは世界でも珍しい文化らしく「箸は人となり」や「箸の乱れは心の乱れ」なんて諺があるくらい、箸は個人と密着している。なので日本人のお箸選びはきっと他文化圏の人々の箸やカトラリー選びとはだいぶ違う。それは「みんなで使う箸」選びではなく、「私だけが使う私にぴったりのMy箸」選びなのだ。


では、自分にとって使いやすい箸とはどんな箸なのだろう。
お箸選びをするにあたってまず最初に考えるのは、長さだと思う。ここで基準となるのが、人咫半(ひとあたはん)という寸法。親指と人差し指を直角に広げ、直線でつなげた長さが「一咫」。そして一咫の1.5倍が「一咫半」で、その長さのお箸がその人にぴったり合ったサイズだそうだ。一般的にお店で売られている大人用の箸は、 大体男性用が23cm前後で女性用が21cm前後。このサイズは江戸時代に決まった寸法らしいのだが当時の人々は体も小さく、現代の私たちにとっては少し短すぎる気もする。なので前述の方法で採寸してみてそれを参考にすると良いと思う。とはいえあくまでこれは目安なので、実際自分で持ってみて使いやすいかどうか判断するのがベスト。余談だが中華箸が長いのは複数で食事をする際、大皿を円卓の中央に置いてそこから自分の箸で自分の器に取るという習慣からだそうだ。日本では大皿から料理を取る場合「取り箸」を使うが、中国では自分の箸でとり分けることが信頼の証だそう。だからテーブルセッティングの際に箸を縦に置くのも、それが理由らしい。
それからお箸の形状について。全体的に太いものや細いものがあるが、それもやはりそれぞれの手の大きさによって使いやすい太さがあるだろう。が、箸によっては先端だけが結構細めにできているもの、また逆に少し太めのものとがある。だいたい日本の箸は細く中華箸は太くできている場合が多いが、これも料理と食文化による差のようだ。日本は完食文化。お米一粒でも残さないで食べるのがマナーでまた魚介類を多く食すため、日本の箸は先が細く細かいものを掴みやすいようにできている。一方中国は食べ残しの文化。大皿で沢山の料理を出し、完食したら失礼にあたるということで残すのが当たり前。そして料理もガツンと重量感のあるものが多く、なので箸もしっかりがっつり掴めるよう太くできているらしい。ちなみに食べ残すという行為は勿体無いのではと思ってしまいがちだが、残った食べ物は全部家畜にあげるので、問題ないらしいです。

おすすめ6種
そんなことを踏まえながら、センプレでお箸を探してみる。いろいろあって迷ってしまうがその中からおすすめを6タイプ、セレクトしてもらった。


1 KO DESIGN CONCEPTのSTIIK(スティック)
コンセプトは「カトラリーのようなお箸」。世界中の食を楽しむ私たち日本人の食卓では、フォーク、ナイフ、スプーンと一緒に箸が並べられることも少なくない。そんな時にそのカトラリーたちとも美しく馴染むようデザインされているのが、このSTIIKだ。素材は竹。そしてこのお箸の一番の特徴は、結構長いということ。一般的なお箸は大体21〜24cmくらいだが、このSTIIKは26cm。平均身長が伸びた現代人にとっての一咫半は26cmということらしいが、やはり手の小さな女性にとっては結構長すぎる。が、中華箸のように大皿の取り分け箸として使うのには良いかもしれない。丸い形状なので置いた時少しだけコロコロっとするが、どんどん転がっていってしまうようなことはない。ここまでシンプルで美しい箸はなかなかないので、とても魅力的だ。そして長さの割に軽量なのも、嬉しい。

2 カワイのにっぽん伝統色箸
熊本県産の天然竹に福井県の伝統工芸である若狭塗を施した、美しい色彩のお箸。セレクトされた13色の日本の伝統色は「古代朱(こだいしゅ)」「常盤緑(ときわみどり)」など風情ある美しい和名がついている。全体的に結構細めで四角いストレートなフォルムが、繊細ながらも和モダンでとてもおしゃれ。ただその細さは美しい反面、少し持ちづらくもある。パッケージも素敵なのでプレゼントにしても。色違いで揃えたくなってくる。


3 公長齋小菅(こうちょうさいこすが)の竹箸 八角
八角形がこんなに持ちやすいとは思わなかった。丸いとなんか指に馴染みにくいし、四角いと角が当たる。なのでこの八角形という形状は、とても手にしっくり心地よくて使いやすい。全体に割と細めなので手の小さい人にもオススメだ。竹は成長が早く一晩で1mも伸びるという。そして農薬を使用しないため環境にも優しい。また強度がかなりあり、昔から物差しにも使われているくらいに狂いが出ないのが特長。公長齋小菅は1898年創業の京都の老舗竹芸品メーカーで、竹のことを知り尽くした職人が一つ一つ丁寧に製作している。先端が細いため、細いものも掴みやすい。

4 公長齋小菅(こうちょうさいこすが)の炭化竹筋箸 3本セット
シンプルな四角い竹のお箸のセット。お箸の中央にそれぞれ1本2本3本とラインが入っていて、自分のお箸がどれだかすぐに見分けることができる。家族で使うお箸って大概それぞれ好きなデザインを選ぶ場合が多いのだけれど、これは基本が同じデザインなので食卓に並べた時にすっきり美しい。来客用のお箸として備えておくのにも良いかなって思う。全体が結構細めで、特に先端はかなりな細さ。それがまたおしゃれだし、骨についた魚の身だって綺麗にとれる。が、逆を言えば結構尖っている訳で、口にささないように要注意。5本セットもあって、こちらはラインの数が1〜5本になる。なんだかちょっと可愛いくて、心憎い。


5 sarasaの江戸木箸利休
千利休が考案されたと言われている、利休箸。両端が細くなっている両口箸で、おもてなしやハレの日の祝い箸として使う場合が多い。千利休はお客様を招く時、必ずその日の朝に客人の数分だけ自ら心を込めて、一膳一膳小刀で削って箸を作ったと言われている。千利休が使ったのは吉野杉で杉の削りたての香りもお客様に差し上げたい、との思いからの心遣いだそうだ。両口箸が左右とも細くなっているのは一方は神様が使い、もう片方は人間が使うという意味がある。なので食事中持ち替えて反対側を使用するのはタブー。祝い箸の材はヤナギが多いが、この江戸木箸利休は鉄木という木。その名の通り鉄のように硬く重いが、その反面耐水性が非常に高く滑りにくい。硬いため折れにくく長く使っても先端が丸くなりにくいので、箸には多く使われている樹材とのこと。持ち手部分はしっかり太めだが逆に先端はとても細くできているので、細かいものでも掴みやすい。ただ手の小さい人にはちょっと太すぎ重すぎ、な感もあり。

6 Syuroの塗箸
このお箸、とにかく驚くほど軽い。それもそのはず、素材は最高級ヒノキの無垢材なのだ。漆塗りだが木目を残した仕上げなので、自然な感じがいい。後ろから見ると正方形なのだけど先端にいくにつれ角が取れて八角形になっている。なので持った時に指に角が当たらずしっくり馴染むのが嬉しい。軽いので子どもにもオススメなのだけれど、ヒノキは柔らかいので噛んでしまうと跡が付く。それが気にならなければ、口あたりの心地よい柔らかさだ。箸より重たいものを持ったことない方には、オススメです。

それぞれのMy箸選び

ということで、センプレの6種類のお箸。箸にも棒にもみんな引っかかって、どれも素敵で捨てがたいのだけれど…。なので今回も家族3人、それぞれ好みのものを選んでみることにした。
まず夫。手の大きな彼は、江戸木箸利休が一番使いやすいとのこと。デザインではSTIIKが好みだが、、汁物をいただく時にちょっと長すぎる、と言っていた。江戸木箸利休は私には太すぎ重すぎで使いづらかったので、やはり男性向きなのだろう。そして娘は断然Syuro。デザインも使いやすさも、これが一番!だそうだ。私はというと、デザインはにっぽん伝統色箸が好みだが、使い心地は公長齋小菅竹箸の八角か、やはり娘と同じSyuroにっぽん伝統色箸の好みの色は素色で、マットなアイボリーとダークブラウンの色合いが繊細なフォルムにマッチし、とても魅力的だった。しかし、八角の手になじむ加減は素晴らしく、またSyuroの軽さも捨てがたい感じ。どちらも使いやすく疲れにくいのが、ポイントだった。

お箸の国で暮らす私たちのお箸選び。少しは参考になったでしょうか?自分にあった使いやすいMyお箸を、みなさまも探してみてください。

>おわり

ご紹介アイテム

□ 箸 STIIK スティック 2膳セット

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□ にっぽん伝統色箸

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□ 竹箸 八角

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□ 炭化竹筋箸3本セット

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□ 江戸木箸 利休L

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□ ひのき塗箸

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センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。