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第24回 アアルトデザインで日々の暮らしに自然を感じる


リーヒティエ プラントポットS

アアルトの自邸の庭に静かに佇む大きな植木鉢、これがリーヒティエ プラントポットの原点だそうだ。
ヘルシンキのムンッキニエミは自然豊かな海辺の街で、この街のリーヒティエ通りにアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトは自宅兼アトリエを構えた。1936年に建てられたこの家でアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトは40年に渡り暮らし、以降1990年代までアアルトの家族が暮らしたという。この家の南向きのテラスに置かれた2つの植木鉢は、アイノ・アアルトのデザイン。1937年のパリ万国博覧会で展示され注目を浴びたが、その時は製品化までには至らなかった。そしてその80年後の2017年、フィンランド独立100周年の年にこの2つの植木鉢は素材とサイズを変えて、リーヒティエ プラントポットとして世に出ることとなった。


リーヒティエ プラントポットのデザインは2種類ある。自然を愛し自然とともに生きたたアアルト夫妻は、自然の造形や自然素材を作品にとり入れた。このリーヒティエ プラントポットの有機的な曲線も、自然の持つフォルムからインスピレーションを得てデザインされたのだろう。そのやさしい形状は、四角い建築と角張った多くのものに囲まれた日々の生活を、柔らかく優しいものにしてくれる。
色は4色で当初はムーラッツァロにあるアアルトのサマーハウスで使われているタイルの色を元にした白とブルーの2色だったが、昨秋ブラウンとグレーが追加され4色のバリエーションとなった。個人的には特に白とブラウンが好きだ。白はオフホワイトで清潔感があり花の色を美しく際立ててくれるし、土の色に近いブラウンは葉のグリーンがよく映える。

リーヒティエ プラントポットは、その名のとおり植木鉢だ。しかし底に穴がない。ということは水が外に漏れないため、水耕栽培用やフラワーベースにも適している。室内に土を持ち込みたくないという人にも、おすすめだ。フラワーベースにした場合口が広いので花材を立てる工夫が必要だけれど、剣山などの道具を使うかビンやグラスなどに挿してプラントポットの中にすっぽり入れてしまえばOK。11cmほどの深さがあるので小さめのビンを使えば上から飛び出すこともない。
それから文具や化粧品など、細かいものを収納するのにも便利だ。デザインの曲線形状を生かして、収めた丸いボトルがカーブにうまくフィットし納まってくれる。サイドからは中が見えないため、すっきりと隠す収納ができる。
また、果物などを入れるのにもちょうど良い大きさで、ちょっと固いアボカドを常温保存しておくのに便利だった。
デザインが美しく置いておくだけで絵になる上、それが収納を兼ねているなんてちょっと自慢したくなる。

リーヒティエ プラントポットは1点1点職人が手作りで製作している。それは機械で次々と大量生産されていくものと違って、どこか味わいがあり温かみを感じることができる。

今は博物館となっているフィンランドのアアルト邸。その庭にある大きな植木鉢は、今でも季節の花が揺れ、訪れる人々を優しく見守っている。
「日々の暮らしにささやかな美しさを」そんな思いが詰まったリーヒティエ プラントポット。フィンランドの美しい自然とアアルト夫妻に思いを馳せながら、日々の暮らしで大切に使っていきたい。

>おわり

ご紹介アイテム

□ リーヒティエ プラントポットS / TypeA

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□ リーヒティエ プラントポットS / TypeB

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センプレ創立メンバーで、現在フリー・デザイナーの小林さん。そんな内からも外からもセンプレをよく知る方に、時には感性鋭いデザイナーの目で、 時には一家を支える主婦の目で、センプレの扱っている商品のことを定期的に書き下ろしていただきます。

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文と写真 小林千寿子 / フリーランス・デザイナー


神奈川県在住。 グラフィックデザイン会社、(株)ゼロファーストデザインを経て、1996年に(株)センプレデザインの立ち上げに参加。
センプレでは主にショップのカタログなど、グラフィック部門を担当。 1999年からフリーランスで、活動中。 大学生の娘と夫との3人暮らし。